...こういうことしていいんでしょ？［まふまふ］

２３話 ページ24

まふまふside





…






……






………






…………え、遅くないですか？









佐野さんが出てくるちょっと前に大学から出てきたはずなのに、僕がドアの前で待機し始めてからもう20分は余裕でたってるよ…？





なにか、あったのかな、、？





そう考え始めると、妄想力のたくましい僕の脳は悪いことばかり考えてしまう。



事故にあったんじゃないか、変質者になにかされてるんじゃないか、、、






悶々としているうちに時間は過ぎていき、僕の妄想が、佐野さんの昔の男が現れ駆け落ちになったんじゃないか、というところまで行く頃には40分ほど経過していた。









あと10分、もしもあと10分しても来なかったら探しに行ってみよう。









そう決めて、５分ほど経った頃 ビニールのこすれる音と、疲れきったような ゆっくりとした足音が聞こえてきた。









佐野さんかな…？






…まずい！ こんなところに突っ立ったままじゃ怪しまれちゃう！！






僕は急いで計画を思い出し、実行に移した。









『…あれー？ おかしいなぁ…』




小さな声で呟きながら自分の荷物を探る。







こんなことしてて、この足音が佐野さんじゃなかったらすっごく恥ずかしいんだけど…





ブツブツいいながら自分の荷物あさってる成人男性なんて 傍から見たら怪しすぎるって…





そんなことを思いながらも、佐野さんと仲良くなるためだ と 自分に言い聞かせ、続行する。









しばらくすると足音は近づいてきて、その正体が誰だか分かる距離まできた。









よかった、佐野さんだ…








安心したはずなのに、僕の心臓はさっきからうるさいくらいに鳴っているままだ。





まだ 仲良くなるまでの段階なのに、こんなに緊張してるなんて、僕ってダメだなぁ…








そんなことを考えていると、









「こ、こんばんわ」






か細い声が響く


たったそれだけでも、とても嬉しくて。







『…あ！ 佐野さん！ えっと、こんばんわ。』








部屋に入ろうとしない僕を不思議に思ったのか、彼女も自室に入ろうとしない。









すると、、









「どうか したんですか？」








と、声をかけてくれた。









…えっと、、、









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『…鍵を、落としてしまったみたいで、、』

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