３４話 ページ5
目が覚めた。
いつの間にか寝てたみたい…
何日ぶりだろう、こんなに寝たの。
スマホを開き時間を確認する。
朝の１１時。
今日学校休みだよね…
まぁ、今の状況じゃ学校に登校すらできないんだけど。
起き上がろうとした体が静止する。
「えっ…」
私の横で眠ってしまっている轟くん。
布団もひかずに…いや、この体制は私の隣でぼーっとしてたら寝ちゃったって感じだ。
私はそっと自分にかかっていた布団をかぶせてあげる。
…轟くんってやっぱり美形というんだろうか。
改めて彼の顔をまじまじ見てそう思った。
轟くんの目のやけどにそっと触れる。
「…私が知らない傷だ」
私が知ってる幼稚園の頃のしょーちゃんにはこんな傷はなかった。
私が引っ越してしまった後にできたんだろうか。
やけどのあとを優しく撫でた。
「痛そう…」
轟「痛くねぇ」
「えっ」
轟くんと目が合う。
「起きてたの！？」
轟「わりぃ、起きるタイミングをのがした」
「もー…」
轟「…ふゆねぐせついてる」
轟くんが「かわいい」と微笑んだ。
どこがぁ…
あれ、今名前でよんだ？
うかつにも鼓動が速まる。
私はねぐせを手で隠した。
「真剣な話するから、ちゃんと聞いてね」
轟「あぁ」
「次こそ春樹を倒したいの。それで神谷陣の場所を教えてもらう。
たぶん、私一人じゃ勝てないから…」
私は決心して、轟くんの手を両手で強く握った。
「今度は二人で。
私が春樹を呼び出すから、轟くんは遠距離から…って…轟くん？」
轟くんはなぜか目を見ひらいてフリーズしてる。
「え？どうしたの？」
「…いや」
轟くんは顔を背け、私が握ってる手とは反対の手で口を覆った。
「…私変なこと言った？」
轟「いや、違う。わりぃ」
「？」
轟「…二人で、やっと戦えんだな。
お前の口から、そう言ってもらえるとは思わなかった。
正直…嬉しい」
轟くんは顔を隠しているが、耳は真っ赤だった。
そっか…轟くんの協力をちゃんと受け止めたのは今日が初めてだ。
顔が熱くなる。
轟くんも真っ赤だ…、
照れてるんだよね、見るのは初めてだ
鼓動が速まる。
私、轟くんが好きなんだ
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作者名：カッパ | 作成日時：2017年10月27日 23時
