轟くんって天然っていうか… (ページ2)

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３１話ページ2

轟「捨てねえよ。返事渡せなかったけど、もらった時すげえ嬉しかった」
　
　
「うっ…でも…

それにこれ幼稚園のときに渡したやつだし…

子供の時なんか深く考えてなかったから、真面目な手紙じゃないよ」
　

轟「嘘じゃないんだろ？」
　
　
「え？」
　
　
轟「ずっと一緒にいたい、っての」
　
　
うわぁぁ恥ずいー
　
　
轟「さっき自分で言ってただろ。深く考えてないで書いた手紙だって。それ本音だらけってことだろ」
　
私…自分で墓穴掘ったぁ…
　

顔色ひとつ変えない轟くん。

　
私がなにも言えないでいると私から手紙をとり、箱に戻した。

　
そんな轟くんの後ろ姿に胸が痛む。
　

彼は幼稚園の頃から私が好きだったって言ってた。
私が書いた手紙を大事に持って、こんなに好きでいてくれている。
　
　
こんな私に手を貸して警察から逃がしてくれた。
　
もうこれは巻き込むとかそんなレベルじゃない。
　
このまま警察に見つかったら…
　
　
いや、私と病院から逃げた時点で、彼はもう共犯者だ。
　

　
「あのさ、…ご」
　
　
轟「…ごめんとか言うなよ、そんな事より話すことがあるだろ。
　
…その右腕、春樹にやられたのか」
　
　
私は包帯を巻かれた右腕に触れる。

「…殺せたはずなのに、私を殺さなかった」
　
　
轟「…お前が死ぬとか考えたくもねえ。冗談でも言うな」
　
　
「…ごめん」
　
　
轟「わりぃ。…お前には話してなかったが、春樹と1度話したことがある。
　
戦争を起こす。その戦力に立花が欲しい、そう言っていた」
　
　
「戦争！？…それっていつの話！？」
　
　
轟「三日くらい前だ」
　
　
「時間がない…はやく神谷陣を止めないと…」
　

轟「神谷陣はどこにいるんだ？」
　
　

「わからない…春樹に聞き出せないかと思ったけど、勝てなかった。
今は警察も神谷陣の駒、武器を提供してくれるから、春樹は拳銃を持ってた」
　
　
　
轟「それで撃たれたのか」
　
　
私は頷く。
　
　
轟くんは私の顔を見て、突然押し入れを開けた。