２０話 ページ21
轟side
ふゆ「もう、誰も失いたくないの」
そう言ったあいつの声が脳内で何度も響く。
どうしたらあいつは俺を頼ってくれんだ。
さっき、強引に引き止めてれば、何かが変わっていたかもしれない。
でもそれができなかったのは、あいつが泣きそうな顔をしていたからだ。
助けたいのに、あいつに拒まれるとその先に進めない俺がいる。
どうにもあいつだけには弱い。
弱点とも言う。
こんな所で項垂れても仕方ねぇか。
俺は止めていた足を動かし、家に帰った。
部屋の隅にカバンを置き、畳に寝転ぶ。
春樹は、ヒーロー界に爆弾を落とし戦争を起こすと言っていた。
その戦力にふゆが欲しいと。
俺はふゆを守りたい。けどあいつはそれを望んでいない。
春樹の様子からして、あいつに手を出すことはねぇと思うが、油断はできない。
俺はどうしたら…
ガラッと襖が開いた。
冬美「ご飯でき…ってなにしてんの？」
「…」
冬美「あんたがゴロゴロしてるなんて珍しい。悩み事？」
「なんでもねぇ」
冬美「うそ反抗期ー？もしかして好きな子と上手くいってないとか？」
「…」
冬美「まじか、好きな子いたの。顔良いのに苦労するの？好きな子がイケメンに興味ないとか？」
「知らねぇ。顔は関係ないだろ」
冬美「関係あるよ！焦凍の好きな子だって顔可愛いでしょ？」
「…可愛い」
冬美「え、そんなに？今度紹介してよ見たい！」
「…」
冬美「気が向いたらでいいからさ！あ、ご飯できたよ」
「すぐ行く」
冬美「何をそんな悩んでるのか分かんないけど、言わないと伝わらないと思うよ」
姉さんの言葉はいつだって正しい。
けどいつだって、正しい発言が正しい結果になるとは限らない。
だから世の中は安定しない。
たとえ正しい事をして正しい結果を得られたとしても、それが望まない未来になることだってある。
俺は制服を脱ぎ、私服に着替えて姉さんの所へ向かった。
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カッパ(プロフ) - 美魅斗さん» コメントありがとうございます！頑張ります！！自分でもキャラ崩壊してないかなって不安だったのでそう言って頂いてとても嬉しいです！(*^^*) (2017年6月4日 20時) (
レス) id: 0a3f8239eb (このIDを非表示/違反報告)
美魅斗 - 面白いですね！早く続きが読みたいです!更新頑張ってください!応援しています!何か、小説書く人によって、焦凍君のしゃべり方とか性格が変わるんですけど、貴方の焦凍君は、大好きです。 (2017年5月30日 22時) (レス) id: 226a185a11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カッパ | 作成日時：2017年5月21日 13時
