音駒にも狐が居たようで【男主】

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『すみませ……』

顔を上げると井闥山学院の佐久早くんが居た

本物を見るのは初めてや

何も反応しない佐久早くん

『あの、怪我してまへんか？』

佐久早「……大丈夫」

『ほな、良かったですわ。じゃあ俺は戻りますんで』

服の裾を掴まれる

…佐久早くんって潔癖症やなかったっけ？

佐久早「名前、高校……」

佐久早くんの言葉を汲み取り、佐久早くんの方に向き直って

『？あぁ、北Aです。音駒高校の3年でマネージャーしとりますわ』

軽く微笑んでは自己紹介をする

佐久早「佐久早聖臣、2年だから敬語なくていい」

『ならそうさせてもらうわ。俺のことは気軽に呼んでええからね』

佐久早「Aくんはコートどこ？」

『あっちやで』

自分が来た方に指を指す

佐久早「じゃあ送る」

『嬉しいけど、嫌やないん？』

佐久早「Aくんなら大丈夫だと思って。それにAくん絡まれそうだから」

『そんなになんか…』

会って間もない聖臣から言われるとな……

『ならお願いしようかな』

佐久早「ん」

聖臣はどこか嬉しそうに見えた

コートに行く途中やたらと人が避けてくれる

聖臣は有名やから近づかんどことか思われとるんかな

『聖臣は自分ところ行かんくてええの？』

佐久早「人多いところ苦手だから…いい」

『ならこっちのコート居っとくか？こっちは人多くないからええよ』

佐久早「行こうか…」

「いた！！」

聖臣の言葉を遮るような大きな声。あからさまに嫌な顔を浮かべる聖臣。声のする方に目を向けると古森くんやった

古森「どこ行ってたんだよ。探すの大変だったんだからな？まさか他校にまた絡んでたのか？」

『いや、ただ助けてもらってたんです。俺軽く迷子になってて』

古森「そう？ならいいけど。お前も！すぐフラフラすんなよ」

佐久早「……別に」

古森「はぁ…あ、俺古森元也。当たったらよろしくね」

『北Aです。こっちも当たったら容赦しまへんから』

古森「はは、じゃあまた」

そう言って聖臣と古森くんは行ってしまった

皆がいる所に行き席に座る

黒尾「おっそい！また絡まれたんじゃないだろうな？」

『絡まれてへんで。ちょっと話しとっだけや』

黒尾「それを絡まれてるって言うんですー。それで？今日は誰？」

…めんどくさい彼女かいな

『佐久早聖臣』

黒尾「これまた大物を…」

黒尾は頭を悩ませた

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