音駒にも狐が居たようで【男主】

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貴方side

ドン、バン、バシッ

ボールが手にあたる音が響く。皆の練習を見ている時間がとても好きである

時計を見てはもうそろそろ休憩をとらせようと声をかける

『休憩や、しっかりと休みぃ』

俺がそう言えば鉄くんは「お前らきゅうけーい」と続けて声を出した

研磨がヘロヘロと床に倒れ込む。スポドリとタオルを持てば研磨に駆け寄り

『ほら、水分と汗拭きいや。あともう少しで終わるで』

研磨「ありがとう…Aくん」

『気にせんでええよ。俺の仕事やし』

研磨の頭を軽く撫でる

体育館の方を見たら猫又監督が入ってきた

…えらいご機嫌やな。ええ事でもあったんやろか

黒尾「集合！」

「うぃーす！」

猫又「今回のGWの合宿の事なんだが、宮城に行くことになった」

黒尾「え…それまたなんでですか？」

猫又「合宿の最終日に因縁でもある烏野高校との練習試合が決まった」

そうゆうことか。やから監督はご機嫌やったんやな

一通り話が終わり解散してそれぞれまた練習に戻る

猫又「A」

『？はい。なんですか？』

猫又「今回も相手チームの分析頼むよ」

『当たり前です。それが俺の仕事ですから』

猫又「ウチのマネージャーはしっかりしてて助かるよ」

『そんな事ないですよ。ちゃんとやるべきことはやるやけですから』

猫又「“ちゃんとやる”それが口癖だな」

『えぇ。信介もそうやったからですね』

猫又「君の双子の兄にも会ってみたいものだよ」

『いずれ会えますよ』

そんな会話をしては練習が終わる

海「A、一緒に帰らないか？」

『おん。ええよ』

信行くんとは同じクラスでよく一緒に行動している

海「そう言えば英語の課題やった？」

『やっとるで。でも少しムズかったわ』

海「はは、Aが言うなら難しいんだろうね」

『せやけど、信行くんも勉強出来るほうやん』

海「Aほどでもないけどね」

『えらい謙虚やんなぁ。もっと胸張ってええのに』

海「そう言ってくれるのは嬉しいなぁ」

『せやから自信持ちぃ』

海「ありがとう。俺はこっちだから、また明日ね」

『おん。また明日な』

そう言って信行くんとは別れ家に帰る。と言っても一人暮らしなのだが

家に帰った瞬間スマホの着信音が鳴る。画面を見ては信介の表示がされる

双子やからタイミングが合うんやろな

なんて呑気に思いながら電話に出る

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