水に封印されし者 四拾陸 ページ48
グルッペンside
戦争が近づき、幹部の人たちが書類に狼狽える時期だ。
トン氏は経済面の書類、大先生とコネシマは政党に関する書類、シャオロンとゾムはこの国の総死亡者数の累計に関する書類、オスマンは宗教に関する書類、ロボロは相手国の情報を纏める書類作成、しんぺい神は医療関係の書類、ひとらんは畑などの死守、兄さんは出国の準備、エーミールは既に仕事で出国済…
戦争が近くなると、トン氏と大先生、コネシマが特に忙しくなり、
戦後はシャオロンとゾム、しんぺい神が忙しくなり…
更に今年はレアも参戦する。
今は屈託なんてしてられないものだ。
レアだって本気になれば逸材になる。
今はゾムの仕事をシャオロンに任せ、レアを強化して貰おう。
トン氏は一通りの書類が終わった様だな。くそ、俺の前で裕福な寝顔を見せるんじゃない。
コンコン
総統室のアンティークな扉が鳴り、誰だ、と言う。
??「レア、よ」
『ふむ、良いだろう、入れ』
キィイイイ
妙な音を立て、静かに入ってきたレアは、トン氏の服ではなく、オスマンの服を着ていた。
そんなのはどうでもいい。
いつもの《目的》を使用して未来予知を測るが、炎以外何も無い。
どれだけ今回の戦争に力を注いでいるのかは分かったが、炎なのはよく分からない。
だが、今回は強者が一人増えて、こちらも有利なのは間違いない。
今回の戦争は、勝たなくてはならないものだ。
『…それで、何の用だ?』
レア「…私、分かってしまったの。」
『…ほう、何がだ?』
レア「この国の全員が、能力を持っていることとよ、」
『…しんぺい神とオスマン、か』
能力で見えるものではないが、何となく分かる。
レア「ええ、彼らが気づかせてくれたわ。」
『…そうか、分かってしまったら仕方ないものだ。だが、これは国家機密の問題だ。口外しないように。』
釘を刺し、再び書類に戻ろうとすると、レアは、それと、と言葉を綴る。
『それと、私、この戦争が終わったら、この国を出ることにしたわ。』
もう、いる必要もないからね、
そう言った彼女は、それじゃ、と言い残して総統室から出た。
この国に来てあまり経っていないというのに、また人間が逃げていく。
窓の外は真っ昼間にも関わらず、雨がしとしとと降り続け、曇り空が太陽を隠している侭だった。
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扇@リョク(プロフ) - 優駿さん» 書いてて楽しいよ~ (2017年5月6日 22時) (レス) id: 73072c82de (このIDを非表示/違反報告)
優駿(プロフ) - レアちゃんがトントンの服着てるシーンあるけど、トントンって我々だの中でも一番身長でかいって言われてるよね(小声)それはそれでレアちゃんが萌え袖って事になるから…ヤバイいろいろと! (2017年5月5日 21時) (レス) id: 4310548fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/hp/hikare _usiro/
作成日時:2017年4月5日 23時