水に封印されし者 四拾弐 ページ44
レアside
次に来たのは戦闘室。やはり、夜にもトレーニングは欠かさないもののようだ。
生憎、此方には気づいておらず、壁にノックをする。
ゾム「ん？レアやん、こんな夜中にどないしたん？」
汗をかいていて、とても暑そうだ。
『ちょっと用があってね。その前に、タオル、貸してくれないかしら。』
ゾム「ん？ええで」
と言って私にタオルを投げてきた。
それをキャッチすると、水を操り、タオルに水分を含ませ、内部を少し凍らせた。
保冷が効いて、かなり冷たいだろう。
それを手渡しすると、ゾムはありがとなと言ってふにゃっと笑った。
ゾム「冷たいなぁ、ほんまにありがとな」
『いえ、そんなのお礼に過ぎないわ』
ゾム「それで、何の用なん？」
壁際に座って水分補給をしたゾムの隣に、私が座る。
少し、熱気を感じるが。
『明日から、体力つけるために基礎トレーニングを教えてくれないかしら。』
ゾム「あ、戦争行くことになったんやな、」
『ええ、だから、体力つけたいのよ、』
ゾム「レアの戦い方は十分に良いし、無いのは持久力と肺活量やな。明日から徹底的にやるんか？」
『勿論よ。忙しいと思うけど、頼むわ。』
ゾム「了解したー、そんで、またなんかあるん？」
『…復讐を果たしたら、この国からも出ようと思うの』
自分の言ったことを思い出す。
トントンさんは悲しそうな手振りはしなかったが、言葉になりかけていた。
『私が、この国から出るって言ったら、ゾムはどうするの？』
ゾム「なんや突然、…、でもまぁ、悲しい、よな。来てあまり経ってあらへんし、でも、レアが行くって言うなら、俺は止めへんで。お前の歩む道を、我々が決める訳ではないんや。」
『そう、なのね、ありがとう、助かったわ。今日は休むわ。トレーニング、邪魔して悪かったわね。』
立ち上がり、おやすみ、と告げる。
おー、と言ったゾムはすっかり汗の消えた何時もの顔になった。
廊下に出ると、目から溢れてくる涙と胸の苦しさに襲われ、早く寝たい、と思った。
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扇@リョク(プロフ) - 優駿さん» 書いてて楽しいよ~ (2017年5月6日 22時) (
レス) id: 73072c82de (このIDを非表示/違反報告)
優駿(プロフ) - レアちゃんがトントンの服着てるシーンあるけど、トントンって我々だの中でも一番身長でかいって言われてるよね（小声）それはそれでレアちゃんが萌え袖って事になるから…ヤバイいろいろと！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: 4310548fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：扇@リョク | 作者ホームページ：uranai.nosv.org/u.php/hp/hikare _usiro/
作成日時：2017年4月5日 23時
