【z.o.m】天使の堕天使【w.rwr.d!】

水に封印されし者 卅参 ページ35

レアside

私にお姫様抱っこされて顔を真っ赤にさせたゾムは戦っていた時とは違い、乙女のようだった。


…



しん「それにしても、凄いね」



『…何が？』



しん「レアの戦いっぷりが」



『…そうかしら？』



ゾム「確かに、普段の顔より戦ってる時の方が楽しそうだったな」



実際、楽しみながらやっていたのは間違ってはない。
でも、私の戦いっぷりが凄いというのは良く分からない。

つい先日まで動きようのないカプセルに封印されていたのに、


普通に動き、普通に戦い、普通に傷をつけたままなのだが。



しん「レアには、かなりの期待がかけられるな」



『…。』



今、分かった。



しんぺい神さんは、«マインドリーディング»の所持者だ。




人の心を読める能力の事だ。





しん「あーらら、バレちゃったのか」


ゾム「？」


『つまんないの？』


しん「勿論じゃぁん、誰にもバレなかったのに。」



『私は、面白いと思うわ』



ゾム「…？」



『…そういえば、しんぺい神さんから服借りたままね、洗濯して返すわね』



しん「あげる？」



『…いいの？』



ゾム「ダメに決まっとるやろ！」



『…？取り敢えず、着替えてくるわ』



ｶﾞﾁｬ



私が部屋を出ようとしたら、何者かが入ってきた。


＿＿エーミールさんだ。



エー「さっきの戦闘、拝見させて貰いました。とても面白かったです。」


『…ありがとう』


エー「今回の戦争に出たりと、我々国にまた、反乱が起こりそうですね。」



『…』



何かもの懐かしそうに悟るエーミールさんは、その声が私の脳に響くものだった。



『…私は、失礼するわ』



横を通り過ぎようとしたら、エーミールさんは呟いた。


私だけに聞こえる声で、



『…レア･マッサカー』



と。

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