水に封印されし者 卅弐 ページ34
レアside
会議が終わり、ゾムに呼び出された私は戦闘室に来た。
ゾム「じゃあ、早速だけど俺と戦って貰うで」
『突然ね』
武器は小型ナイフ1本。
先に傷をつけられたら勝者となる。
しん「傷は切り傷でお願いねぇ、重傷とかにはしないでくれるとありがたい」
『…分かったわ』
しん「じゃあ…戦闘開始！！」
何かの試合みたいな感じで始まった戦闘。
ゾムはナイフをｸﾙｸﾙと回しながら私を捉える。
『…』
ゾムは私に駆け寄り、ナイフを振った。
それをｽﾚｽﾚに避け、床に手を付き一回転する。
ゾム「ほぉん」
観察するようにﾏｼﾞﾏｼﾞと見る視線と無駄な威圧が気に食わない。
私からも、と思ってゾムに駆け寄り、ナイフの持ち方を変えて突き刺す様に振る。
ゾム「…ふっ」
少し笑ったゾムに、私は手加減なんてしない。
セリオウス国の人達を殺すために、私の家族を殺したあの国の人達を消すために、
これは必要なこと。
手加減なんて、してられない。
『…ﾌﾌｯ』
不敵に零れ落ちる笑いは掬うことが出来ず、笑いは零れ落ちるだけだった。
ゾム「…、」
私は笑いながらゾムに歩み寄る。
何をしようかしら、何をしたら驚くかしら、考えるだけで楽しいのに。
嗚呼、なんて楽しいの！
ゾムが私にナイフを振った時、水を操った。
ゾムのナイフは手から離れ、私の元へと来た。
ゾム「それはルール違反じゃないん？」
『武器は小型ナイフ1本。だけど、ナイフ1本だけとは言ってないじゃない。言っている事が矛盾してるわよ、ゾム』
私はナイフを後方に投げ、武器を失くしたゾムは体術の体制に入った。
『…傷をつけたら勝者なんでしょう？武術で傷をつけられるのかしら。』
ゾム「っち、」
私は思いっきり駆け寄り、ナイフを首元に切りつける。
ゾム「ってぇ…」
『ﾎﾞｹｯとしてると、セリオウス国にもやられちゃうんじゃないの？』
しん「勝者、レア！試合終了！」
重い拍手が聞こえ、しんぺい神さんがいる方を向く。
そこにはグルッペンさんとトントンさんがいた。
グルッペンさんは目を輝かせ、トントンさんは驚いた顔で私を見ていた。
グル「なんと素晴らしい！」
ゾム「すげぇなぁ、レアは」
ゾムは首元を抑え、少し痛そうにしていたので、私はオスマンさんがやってくれたようにやり返す。
そのまましんぺい神さんを連れて医療室へ向かった。
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扇@リョク(プロフ) - 優駿さん» 書いてて楽しいよ~ (2017年5月6日 22時) (
レス) id: 73072c82de (このIDを非表示/違反報告)
優駿(プロフ) - レアちゃんがトントンの服着てるシーンあるけど、トントンって我々だの中でも一番身長でかいって言われてるよね（小声）それはそれでレアちゃんが萌え袖って事になるから…ヤバイいろいろと！ (2017年5月5日 21時) (レス) id: 4310548fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：扇@リョク | 作者ホームページ：uranai.nosv.org/u.php/hp/hikare _usiro/
作成日時：2017年4月5日 23時
