水に封印されし者 廿壱 ページ23
レアside
脱衣場に入り、服を脱ぐ。
服はしんぺい神さんに教えられた通り、洗濯機に入れる。
髪を束ね、紋章を見る。
肌色より少し色が抜けている紋章は、いつになっても光る気配がしない。
しん「あれ、その紋章綺麗だね」
私の紋章に気付き、急に触れてきた。
少しびっくりして、体が震える。
『…昔からあるのよ』
しん「ごめんね、びっくりさせたw」
少しニカッと笑ったしんぺい神さんの笑顔は、どの医者よりも素敵で、こんな医者は初めて見た。
『いや、大丈夫よ』
脱衣場からお風呂に入り、シャワーの使い方を教えて貰った。
捻るだけでお湯が出るなんて、凄いなぁ、なんて思った。
しん「今までは、お風呂とかに入れたの?」
『いえ、ずっと水に封印されていたから、』
出してしまえば、あっちが逃がしたのも同然。
そんな事をすれば、あの総統はお怒りになる。
しん「大して良くもない水に?」
聖なる水にだけ光る紋章が光らなかった、と言うことは、大して良くも無かったのだろう。
『…えぇ』
しん「そっか…じゃあお湯にも慣れなきゃな!」
また、笑った。
…
その後は、2人でゆっくり浴槽に浸かった。
夜だからか、月が外の露天風呂に映えていた。
他の人が入ってくる気配も無く、もう寝たのだろう、なんて思った。
しん「レアはお湯、操れるの?」
興味ありげに聞いてきたしんぺい神さんは、とても楽しそうだった。
『残念ながら、慣れてないからまだなのよ』
温かい水なんて、考えても無かったものだ。
しん「まぁ少しずつ、ね!」
『そうね』
しん「そろそろ逆上せそうになるから、上がろっか」
『ええ、』
…
『…しんぺい神さんは、どうしてこの国に?』
ずっと質問だったから、質問してみる。
しんぺい神さんみたいに、人を楽しませる事が出来る医者など、何処を探してもいないはずだ。
しん「んー…グル氏に誘われた、からかな」
『…そう、』
しん「ま、それ以上は教えないけどね」
ウインクをしたしんぺい神さんは、私といるのが楽しいのだろうか。
髪を解き、髪の水分を飛ばす。
しんぺい神さんから借りた服を着ると、すぐに眠気が襲ってくる。
『…それでは、お先に失礼するわ』
しん「うん」
そう言ってドアを閉める。これから髪の毛を乾かすのか。
今日も1日疲れたものだ。
そう思いながら自室に戻り、ベッドに入った。
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扇@リョク(プロフ) - 優駿さん» 書いてて楽しいよ~ (2017年5月6日 22時) (レス) id: 73072c82de (このIDを非表示/違反報告)
優駿(プロフ) - レアちゃんがトントンの服着てるシーンあるけど、トントンって我々だの中でも一番身長でかいって言われてるよね(小声)それはそれでレアちゃんが萌え袖って事になるから…ヤバイいろいろと! (2017年5月5日 21時) (レス) id: 4310548fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇@リョク | 作者ホームページ:uranai.nosv.org/u.php/hp/hikare _usiro/
作成日時:2017年4月5日 23時