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嘆きの島で ページ3

震える声で、願いを口に出す彼女。


私は安心させるように笑いかけ、快く了承した。


「僕はイデア。イデア……だよ」


なんとなく言いづらそうに、彼女は自己紹介し、ぽつりぽつりと自分の立場や、人に言えない、言いづらい心境や嘆きをすべて吐露した。


まるで懺悔のように、悲嘆な様子で。


「フヒヒ、会ったばかりの君に話すには少々ヘビーかもね。でもきっと、君と会うのは今日で最後だと思うし」


「ええ。イデアさんのこのお話については、今後一切誰にも話しません。ですのでご安心を。……その、貴女の話からあえて伏せていたであろう事柄については、大体察しました。」


「そっか。でも、君みたいな人魚がこんな情報持ってたって意味ないと思うケド……」


「そうでしょうか?私、こう見えて強欲なんですよ。“商売”に使えそうな情報は、なんだって利用します」


「でも、秘密にしてくれるんでしょ?」


「もちろんです。」


重々しい秘密をすべて吐き出したおかげでだいぶ楽になったのか、イデアさんは少しずつ心を開いてくれたようだ。


おそらくだけれど、今回限りの付き合いだから精神的に楽なのかもしれない。


見るからに友達出来なさそうですし(特大ブーメラン)


「では、私は帰ります。あの二人がとち狂って嵐を起こしてしまってないか心配なので」


「人魚って本当に嵐起こせるの?」


「さあ?でもなんかあの兄弟はその気になれば世界滅ぼせそうだなって」


「へえ……まあよくわからんけど、気を付けてね。他所の平和な海と違って、ココの海、結構こわいから」


怖い海なら慣れている。


授業中に鮫が乱入して受講している約半分の生徒が餌食になった話は聞いてて新しい。


けれど、イデアさんの話し方は、そういう生命の脅威とは、また別の何かを感じる。


見送る彼女に手を振って、海の中へ潜る。


頭の中で世界地図を広げながら、とりあえず感覚で温かい海へ行こうと泳いでいく。


あの二人と違って泳ぐスピードは遅いけれど、少しでもここから離れないとな、という本能的な何かが語り掛けてる。


冷たい海水の流れが指に流れるたびに、ふと、なにか別の物が指先にまとわりつく。


寒さには慣れっこ……でも、なんだろう、この冷たさ……。


とても、不快で、背筋が冷たくなる。


この海、なんか、おかしい……!


すると、前から二つ見覚えのある影が泳いできた。


「A!」


「探しましたよ、A!」

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- 長文失礼致しました (1月5日 1時) (レス) id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
- なんか、、もう全体的に好きです。素敵です もし作者様がまだ占ツクやっておるのでしたらこの作品の続きを書いてもらいたい、、キャラの口調が本家の特徴をしっかり捉えられていて尊敬します!この様な素晴らしい作品に出会い私は幸せです。頑張って下さい応援してます (1月5日 1時) (レス) @page9 id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
わいわい(プロフ) - すごく好きな作品です!!!!作者様!!無理せず更新頑張ってください\(__) (2022年3月25日 21時) (レス) @page9 id: 6e9aca6f03 (このIDを非表示/違反報告)
びむあ - すごい好きです!更新待ってます! (2021年8月21日 10時) (レス) id: 505448be61 (このIDを非表示/違反報告)
リサ - めっちゃ読み返しちゃう位、この作品が大好きです(人´ v`*)♪ (2021年6月19日 15時) (レス) id: 2c35d5203a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マリア | 作成日時:2021年2月23日 1時

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