少女は…… ページ47
「オレはこの距離の方が落ち着くのにな」
キュルル……と鳴いて、甘えるように擦り寄るフロイド。
喉をくるくる鳴らすのは、かわい子ぶっているときだからとか。
「ダメですよ、貴方たちの両親に怒られてしまいそう……」
「気にしなくていいのになぁ」
「しかし……えぇ、そうですね。Aがどうしても気になる、というのなら従いましょう」
「ジェイド！？」
唐突な手の平返しにぎょっとしたフロイドが振り返る。
話が早くて助かる……と言いたいところだけれど、なにか裏がありそうで疑ってしまいそう。
けれど、うん、こんなにあっさり引き下がってくれるなら好都合なのだから、大人しくしていましょう。
気が変わられては困りますし。
「それでは明日、お迎えに行きませんがよろしいですね？」
「もちろん。貴方たちも私という拘束を気にせず過ごしてくださいね」
話は一通りまとまり、二人は帰っていった。
前までは家まで見送ってくれていたせいか、帰りは少し肌寒く感じた。
■□■
「どういうことだよジェイド」
唸るような低音に、ジェイドは肩をすくませた。
片割れの言い分は最も、二人の“大切”は、一身上の都合により命を狙われていたのだから。
身代金目的か、それとも出世目的か。
彼らの両親が、我が子の執心と好奇心を一心に浴びている一人の少女が気に入らないという噂が家の中で有名であったためだ。
自分よりも格下、それも被食者であるタコごときに誑かされるなど我慢ならないのだろう。
それを知っていて、二人はずっとAにくっついて守っていたのだから。
自分らがいれば、少なからず手出しはできないとふんで。
「あいつらがどー言おうが関係なくね？オレとジェイドの番はA。番を見殺しにする気？」
「そういうわけではありません。考えがあるんです……」
ジェイドはフロイドに近づいて、こっそり耳打ちする。
それを聞くと、さっきまでの怒気は消え、打って変わってにんまりと唇が弧を描く。
「……いいねそれ。」
「でしょう？Aは僕たちがいなければ、自分の身すら満足に守れないことをしっかりわからせてさしあげないと。」
■□■
アズール誕が近いですね。
双子の時は更新してなかったせいで書けなかったので一緒に別々のお話としてお祝いしようか悩ましい所です。
関係ないですけどリリアの手料理みたいなのを出した時のフロイドの表情が好きです。
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
