醜い少女……ネクスト ページ44
目覚めると、両隣に見知ったウツボが２匹いた。
……あぁ、あのまま家にも帰らず、工房の中で眠ってしまったのか。
私はともかく、二人の親は心配してるだろうに……。
「……ん、おはようございます、A」
「おはよぉ」
「起こしてしまいました？」
軽く身動ぎしていただけで、両サイドの双子が起き出してしまったので、睡眠を妨害してしまったようで多少良心が痛むようなそうでないような。
いや、全然痛みませんね。
「日付を超え、夜も越してしまうとは。私は貴方たちの親にどう言い訳すればいいんでしょう」
「ここは誠意を持って、「産ませてください」と」
「孕んでませんけど」
「母さんに会いに行くの？ご挨拶？」
「なんだろう、話が噛み合ってるようでまるであってない……」
まだ寝言を言っている様子の二人を他所に、回収した契約書の対価の品々を見渡した。
綺麗な髪を持つひとには綺麗な髪を、優秀な魔法が使えるひとは得意な魔法を。
さて、個性を根こそぎ奪ったあとの教室は、いったいどうなっているんでしょう。
「ジェイド、フロイド、学校へ行きましょう」
■□■
教室へ入ると、空気…というより流れが悪いように感じた。
いつものウザったくもなる明るい活気がなく、重くて息苦しくもなりそうな淀んだクラスメイト達。
そして案の定ウォーリアさんの姿は無い。
あぁ、なんて、なんて……
「……なんて、愉快な眺めなんでしょう……！」
口元を手で隠しても隠し切れそうにない笑みを湛え、できる限りの小声で歓喜した。
隣にいたウツボは、そんな様子の私をみて、おかしそうにクスクス笑う。
「正確悪ぅ〜」
「さすがAです」
「なんとでもおっしゃい。……過去最高で、気分が良いです」
クラスメイトが悲しみに暮れているというのに、嬉々としているなんて、我ながら可愛げが無いのはわかっているが、でもやっぱりざまあみろとしかかける言葉なんてない。
もうすぐ予鈴も鳴る頃だし、ほどなくして担任の教師がやってくる。
それまでは、
「ねえA、次は何をしようとしてるの？」
「僕たちも是非巻き込んでください」
この二人に、次の計画を教えてあげてもいいかな、なんて。
「物好きなやつ。いいでしょう、存分にこき使ってやります」
そう言い放つと、二人はやけに嬉しそうにした。
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
