醜い少女のシンキング ページ36
「やっと出てったねぇ」
「まったく、困ったお人ですよ。」
「仕事頑張った感出してるようですが何もしてないですよね？」
双子が帰ってきたので、起き上がって身なりを整える。
ちょっとだらしなかったな、って。
「さて、伏線は張り巡らしました。後は最高の状態で全て回収するのみです。……フロイド。」
「はぁい。Aの為に頑張ったげる〜」
「ジェイドは、」
「ふふ、いい具合に食いついてくれましたよ。」
「でないと困りますよ。最高級の餌を与えたんですから。」
彼女との契約で、彼女が私の出す条件を達成出来なければ、私は全てをこの手中に収めることが出来る。
あいつの“長所”も、“個性”も、全て私のものになる。
……やっと、復讐が達成するの。
ちらりと他所を見ると、双子は魔導書を楽しそうに読んでいた。
これが終われば、あの二人は私の元からいなくなってしまう、のかも。
ふと、この復讐を成し遂げた先は一体なにが残るんだろうと思い耽る。
目的が達成して、その後は？
これが終わってどうするの？
きっと、どうにもならないでしょうね。
ただ、関係性がぐちゃぐちゃになる、ただそれだけ。
この復讐には、私のエゴと彼らの功利しか残らない。
それだったら意味の無いこれはやめるべき？
……いえいえ、それはできない。
今更投げ出すなんて出来ないでしょうし、私の気が収まらない。
ぐるぐると不確定要素に振り回されつつ、私は目先の問題について処理するよう頭を切りかえた。
約束を守らない彼女が、約束を守らざるを得ない方法とは。
簡単です。
彼女より立場が上のひと……そう、“親”に頼めばいいのです！
「まさか、あの氷がこんな形で役に立つとは。」
魔法薬の長期保存以外には特に役に立たなかった氷柱……雪の女王の涙を対価に、アズネスさんの父親に陸にしか存在しないとある植物を私に渡すよう促してもらう。
流石に父親からの命令には従うでしょうからね。
もしもらえなかったなら言いつけてしまえばいいだけのこと。
それにあのつらら、研究所に売れば大きな利益にはなりえるでしょうが……一時だけの利益より、継続的に手に入る利益の方が断然良いに決まってる。
莫迦な大人でよかったですよ、本当に。
■□■
おひさしぶりです……更新止まってました、すみません。
温かい応援コメントのおかげで持ち直しました。
ありがとうございます……！
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
