醜い少女のレフューサル ページ4
なんとなく、魔導書を読むのが怖くなって途中でそれを投げ出した。
見えない差出人に怯えてるわけじゃない。
一人じゃなんにもできないていうことを、自ら肯定しているのがなにより怖かった。
これじゃ誰かに甘えながら勉強しているのとほとんど一緒じゃない！
誰かを頼ってちゃ意味がない。
魔導書はちゃんと自分で選んだものだけを手に取らないと。
「あれぇ、タコちゃん勉強やめちゃったの？」
「……いえ、違います。どうやら僕たちが送っていた魔導書には頼らなくなってしまったみたいです」
「えー、探すのちょー苦労したのに。オレ文句言ってくる」
「フロイド？待ってください、僕も行きます。」
貝殻を整理してると、誰かに足を引っ張られた。
「い、痛い！離して！」
「やだ。ねぇ出て来いよ！」
「こっちだってやだ！絶対に出ないもん！」
あの時の双子の片方だ！
なんでまた来るの……。
また揶揄いに来たの？
「離して、離してよ！私に構わないで！私に触らないで！一人じゃ何にもできない子にはなりたくないの！」
私がそう叫ぶと、引っ張っていた足を急に離されたため、壺の底におでこをぶつけた。
痛みでうっすらと涙が浮かんだ。
だめ、泣いちゃダメ……。
「すみません。フロイドが乱暴をしてしまって。」
双子のもう片方が、悪びれもせずに言った。
「許さないもん。」
「は？」
「絶対絶対、許してあげない！」
もはや自棄を起こしていたのかもしれない。
たくさんの足に体をうずめて、小さくなる。
喉が焼けてしまう感じがして、また墨が出てしまうのかななんて考えながら。
「せっかくタコちゃんのために本選んだのに」
「私頼んでないもん。」
「でも、参考になったでしょ？」
「……うん」
すると、後ろ髪を撫でられた。
「僕たちは君のためにいろんなことをしたんです。たとえ君が望まなくとも、何度も僕たちの善意を受け取ったでしょ。ご褒美をください。」
「ご褒美……？」
確かに何度も魔導書は使わせてもらってたから言い返せないけど、この双子の言う"ご褒美"というものの真意が全く見えなかった。
やっぱりからかわれてるとしか思えない……。
何かを期待しているような四つの目が私に向けられているせいで、なにもかも疑っちゃう。
「何が望みなの。」
このままだと帰ってくれそうにないので、とりあえず話だけは聞こうと思った。
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
