醜い少女のフィジカルエビデンス ページ22
私の隣では、フロイドが隠しもせずに笑っている。
「あはっ、ジェイド面白れぇ！」
「私に盾突くマネをしていることに対してですか？それとも彼女の肩を持っていることですか？」
「どっちもぉ。ていうかそれ両方とも意味同じじゃね？」
また首元に巻き付いてくるので押しのけようとしたけれど、急に気が変わった。
どこかイラついた様子で目を細めるジェイド。
可愛いひと、片割れを取られて悔しいんですね。
神経を逆なでするのと比例して、甘やかすようにフロイドの頭をなでてみると、フロイドは嬉しそうにして、ジェイドは目つきが鋭くなった。
わかりやすいなぁ……。
それよりも、今はアグネスさんについてでした。
「適当なんて人聞き悪いですね。」
「えぇ、悪くしてますとも。」
この人どんだけ根に持つつもりですか。
フロイド大好き過ぎじゃないですか。
(なんかA勘違いしてるっぽくね？)
(貴女観察得意でしょうが、気づきなさい……！)
生憎思考を読み取る魔法を使ってない私は、二人の心の声なんてつゆ知らずに首元にフロイドをひっ付けたまま話を続けた。
「ジェイドはどうしても私を悪役に仕立て上げたいみたいですね。悲しいです」
「そうは言っていないでしょ。勝手に話を作らないでください。」
「そうよ！ジェイドくんの言う通りよ！」
いつの間に元気になったアグネスさんがジェイドの腕に絡み、腰巾着みたいに抗議してきた。
目元には涙の痕すら浮かんでいない。
演技するなら最後まですればいいのに。
そしてフロイドは相変わらず楽しそう。
「大丈夫ですよ、彼女はやっていません。悪いのはAです。」
「ふふ、ジェイドくんなら信じてくれるってアグ思ってたよ！」
ニコニコと気持ち悪く笑う彼女に、はらわたが熱くなってくる。
私、結構イライラしてるかも。
優しい視線を投げかけ、そっとジェイドは言った。
「ええ、信じていますとも。……さあ、それがお父さんに買ってもらったという証拠を、みなさんに見せて差し上げなさい。」
彼の言葉に、ピシリと固まるアグネスさん。
笑顔が引き攣り、じりっと後ろに下がった。
「え、ジェイド、くん、信じてるって……」
「信じていますとも、勿論、ね。ですが貴女は今もなお疑われています。それが僕には苦しくて苦しくて……ほら、みなさんに証拠を突き付けて差し上げましょう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1793人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
