束縛の咬魚のレコグネーション ページ11
するとタコちゃんは、嬉しそうに顔を歪めて笑った。
「……ふっ。ふふ、ふふふ！ははは！そうですか。まさか、もうバレてしまうなんて。」
あの頃と違って、大人ぶったしゃべり方をしても、笑い方は無邪気で、誰よりも楽しそうだった。
「じゃあ、やっぱり？」
「ええ、そうよ。私はついに完成させたの。」
手を翳すと何もない空間に突如現れるピカピカと光る金色の紙。
それを掲げると、恍惚な表情でタコちゃんは饒舌に話し始める。
「この魔力を込めた契約書。これにサインさえ取り付ければ、どんな能力でも相手から奪うことができる……その名も、『
やっと、ユニーク魔法が完成して、現実が理想に追いついたんだね。
馬鹿みたいに高い理想、空想なのに、あのタコちゃんは現実にしちゃった。
「今度は私がこの魔法であの子たちを跪かせてやるの。貴方たちの長所は、全部私のもの！！アハハ！！！アハハハ！！！」
高らかな笑い声は、まるでファンファーレのように華やかに響いた。
「ねえタコちゃん、」
「なに？」
「名前、なんて言うの？」
初めて、オレから名前を聞いた気がする。
ジェイド以外なんて興味ねーから、適当に名前つけて呼んでるけど、あの子の名前はちゃんと呼びたい。
だって、他の雑魚とは全然違うじゃん。
「A・アーシェングロット。」
「A、Aちゃん」
なんか変なの。
何度も名前を呼びたくなっちゃう。
身内以外で初めて、オレは他の人魚を一人の人魚として認識した。
「……そうだ。ねえ二人とも、」
「なぁに？」
「何か？」
「暇してるでしょ？退屈でしょう？なら、手伝ってください。私には貴方たちが必要なの」
甘い蜜を両手で掬ってオレたちの目の前に差し出した。
そう錯覚するくらい、待ちわびていた言葉。
「手伝ってくれるなら、私は貴方たちを飽きさせたりしない。どうします？」
オレとジェイドはお互いを見合わせて、同時にうなずいた。
「是非手伝わせてください」
「Aといると楽しそーだから一緒にいる！」
ジェイドはAの足を一本持ち上げると、先っぽにキスをした。
オレも真似してキスすれば、Aは顔を真っ赤にしてた。
やっぱり可愛いねぇ、大人っぽかったり、ちっちゃい子みたいだったり。
「このA、オレとジェイド以外には見せたくねーなぁ。」
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
