【シャドウサイド】怪しく美しい姉妹と命の儚さ感情を知らない双子は大切な物を知る (ページ10)

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第七話　姉妹の思い byクラウィンページ10

雛羽side
もう病院の消灯時間は過ぎた。
だけど、寝る気にはなれない。

明日には退院できるのか…。
今まで紅葉に寂しい思いをさせてしまっていたからな…。

それに家の当主としての仕事もある。
学校にでも持ち込んでやろうか。

雛羽「今日は満月か…」

近くに合ったナイフに指先を押し当てる。
血が流れるが…でも、直ぐに治る。

雛羽「化け物染みてるな…」

そんな言葉を吐きながら、ベットに横たわる。
…ははっ、あははっ。
可笑しくて笑いが止まらない。

人間が化け物を生むなんて有り得るか？
アルビノで、老いなくて、死ぬこともない。

雛羽「馬鹿らしい」

学校ではなるべく、怪我をしないようにしなければな。

友達ができるといいんだが…。
フードを株って行かなきゃ。
なるべく日の光に当たらないようにしなければ。

明日と明後日のことを考えながら、私は目を閉じる。

オヤスミナサイ。

紅葉side
今日の夕飯は秋刀魚だ。
丁度、安かったから良かった。

後は寝るだけだ。
宿題も全て終わらせた。
私ができる当主の仕事も終わらせた。

家の電気を消して回り、二階へ上がる。
満月が辺りを照らす。

姉さんもこの月を見上げているのだろうか。

紅葉「いつでも、姉さんを守れるようにしなければ」

絶対に姉さんに傷を付けさせない。

紅葉「人間が化け物を生むだなんて、なんとも滑稽だな」

私だけが健康で可笑しな話だ。
老いることも死ぬこともなくて。

紅葉「あはっ、あははっ…」

可笑しすぎて笑いが込み上げる。

もう寝よう。

オヤスミナサイ。