Episode.521 ページ38
「A！良かった無事だったか！」
「……！二人とも鎖で繋がれてるわ、危害は加えていないハズだったんじゃないの？」
『お、俺の事は良いから……！』
困惑した表情をしているA、二人とも見た感じでは今のところ拘束されている以外に傷跡とかは無いな……
アインスはそのまま二人に歩みを向けていて、ナミさんが思わず追いかけようとした時────
『来るな！！』
「！！でも……」
『アイツの能力は厄介なんだ、皆離れろ！！』
切羽詰まった表情でそう訴えかけられた、確かになんか厄介な能力を持っていたが……アイツの言ってた通り多対一で勝てるワケがない
俺達が集団になって戦えばすぐにでも解放出来るのに、頑なにAはそれを拒んだ
「どうして……！？A、困ってるんじゃないの！？」
『俺は船から降りた！もう、仲間じゃないんだ！！だから……ッ、助けなんて要らない！！』
「俺はまだ船降りたの認めてねェぞ！！それに、お前がそう思ってなくてもAは俺の仲間だ！！」
『……ッ！！』
Aの表情が少し揺らいだ。
「……君達が気になっているのは僕の能力だよね。……教えてあげようか」
『……！待て！分かった、お前の理想とか言うのに従ってやるから！！
────皆ももう帰れ！！俺が船に戻ったって何にも無いだろ、美容師なんて……船に必要無い！！
俺はウソップが船を降りた時の気持ち、分からなくは無いんだ……！俺は皆みたいに強くないし、特別秀でてる特技だって無い。ただの、美容師なんだ！！
俺が船に居たからって皆の何に役立つって言うんだよ！足引っ張るだけだ、だから俺がここで離脱したって構わないだろ！！』
「黙って聞いてりゃ……！」
「ちょっとゾロ！止めて！」
「まァまァ、僕の理想じゃなかったら君達にあげるからさ。喧嘩はよしなよ」
「さっきから何なんだ、理想だとか期待通りじゃねェとか……！アイツが言ってた¨元に戻る¨ってのに関係あんのか！？」
知りたいよね、見せてあげるよ。と言ってアインスは二人に近付いていった
アインスが近付くのに対するAの嫌がり方が尋常じゃなくて、マズいと思った。間に合うか……！？
『嫌だ、止めろ！！来るな……皆もこっちを見るな！！どっか行けよ！！
────頼むから……！！』
「させねェ！！」
俺達がアインスをA達から引き剥がす前に
アイツの手が、二人に触れた
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作者名：鶯 | 作成日時：2023年1月6日 15時
