Episode.517 ページ34
「それ、本当か！？」
「ああ、チコちゃんだろ。よく買い物しに来てくれるよ」
聞き込みを続けていたら漸くチコちゃんの事を知る人に出会った。手芸店らしく、もうじき店を閉める時間って時にギリギリで話しかけたのが幸運だった
店主は「よく幼馴染みの男の子と来てるよ」と言っていた。それってもしかして……
「その幼馴染み……アインスとか言う名前じゃ……」
「そうそう、そんな名前の子。仲が良くてよくここら辺で見かけるよ」
「俺達その二人を探してるんだ！何処に住んでるとか分かったり……」
「詳しい場所は知らないけれど、ここから離れた所とは言ってたね」
それ以上は知らないと言っていたが、かなりの収穫だった。急いでナミさんに電伝虫を繋ぐとナミさん達の方も収穫があったみたいでサニー号に戻って共有するとの事だった
ウソップの方にも連絡を入れ、一旦全員集まる事になった。今夜中に見付かると良いんだけどな……
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「今夜中に来るといいね」
『……皆の事？』
「うん、でもきっと来てくれるよね。優しい人達だったし」
『……あんな別れ方したし、もう仲間じゃないんだから……』
「アレで納得するって本気で思ってんの！？Aそういうとこあるよね〜」
そうは言っても、皆の前からアイツ諸共居なくなるにはああするしか無かったんだし
アイツの能力は厄介だから、近付けさせたくなかった。でも喧嘩が強い訳ではないんだし倒そうと思えば皆はすぐ倒せそうだけど
皆の前で倒されたら俺は元に戻る。それが……嫌と言うか、今まで隠し通してきた嘘を暴く勇気が無かった。逃げたみたいなもんだ
「見た目が変わっても……AはAのままじゃん。大丈夫だよ」
『分かんねェよ、まァ確かに気にしない奴も多いけど……俺が気にするし
……て言うかアイツ、拘束して閉じ込めるとか……こんな部屋があんのもおかしいだろ』
「……夜が開けるまでここに居て、明日からアイツの望むチコとAを提供さえすれば優しいから
はァ……こうなるのは僕だけで良かったんだから、さっさと逃げればよかったのに」
『なに、普段からこんな事されてんの。尚更出て行けない』
「普段の僕は完璧だからここに来るのは久しぶりだもん！」
冷たい床、何も無い部屋
鎖で繋がれた足枷が冷たくて、夜には少し堪えた
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作者名：鶯 | 作成日時：2023年1月6日 15時
