Episode.516 ページ33
「夜も遅いし、私達は手配書も出てるから下手に動いて海軍なんかには見付かったらマズイわね……」
「アラバスタの時みたいに香水とか、香りの強い物をAがつけてくれたら探しやすいんだけど……そういうのつけてなかったもんな」
「持ち物も殆ど全部纏めて持って行ったみたいね。にしては荷物が少なかったけれど……」
如何せん手掛かりが何もねェもんだから、皆して悩みながら案を出し合ってとりあえず総出で島を捜索する事にした
ナミさんとロビンちゃんは二人して酒場なら開いてるだろうと向かって行った。レディが二人して野郎共の巣窟に行くのは……とも思ったけど、大丈夫だからって言われちまったし……
ルフィは一人でどっか行っちまいそうだったからウソップをつけといた。マリモは迷子になられると余計に面倒だからフランキーと船番してもらってる
んで、俺とチョッパーで街の中心までやって来たわけだが……
「店は閉まってるし人通りも疎らだから聞き込みは困難かもな……チョッパーはどうだ、匂いとか……」
「うーん……今のところ全然。家の中とかに居られたらもっと分からねェ……歩いて行った痕跡が無い限り外で探すのは難しいかも」
全く情報がねェから行くあてもなく、まだ開いている店の店主に話しかけたりするくらいしか出来ない
そこまで大きくない島とは言えそう簡単には手掛かりは見付からない、家ん中に行ったとしても数ある家の中から見つけ出すのがどれだけ難しいか……
チョッパーの鼻も効かねェし、このままじゃキリがねェな、と肩を竦める
「そういや……元に戻るって結局どういう意味なんだろうなー……」
「さァな……アイツとチコちゃんにしか分からない何かがあんだろ」
「うん……でも、元に戻れるって時、俺達に見られたくない感じだったから……もしかしてずっと悩んでたんじゃないかなって思って」
あー、なんかそんなんだったな……
元の姿とか言ってたよな、アイツが元々今の姿じゃなくてもっと違う姿で、それを見られたくないって感じだよな。そんな今の見た目と違うもんなのか
今更見た目が変わったくらいで俺らが態度変える様な奴らだとは思ってねェだろうし……別の何か理由があったりすんだろうか
「まァ見付けたら問いただそうぜ、悩んでんなら解決出来るんならしてやりてェし」
「そうだよな……よし！俺A探すのもっと頑張るよ！」
アイツの事だ、気にしなくていい事を気にしすぎてるってパターンだろ
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作者名：鶯 | 作成日時：2023年1月6日 15時
