海と琥珀とそれから愛と vol.11【ONE PIECE】 (ページ30)

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Episode.513 ページ30

アインスは「うん、そうだね。次は三人で暮らそうか」と微笑んで手を差し伸べてきた

……分かってる、このまま素直に着いて行っても……アイツと一緒に居る限り絶対に元に戻る事は無い……

今ここで殺すべきだ、だけれども……！船に居る皆を巻き込む訳にはいかない。皆は優しいから事情を話せば手伝ってはくれるだろうけど……

今まで騙してきた分……どう言う反応されるか分からない。幻滅されるかもしれないし、今まで通りには接してもらえないかもしれない

分かってる。これは俺の……俺達双子の問題だから

ここでお別れしないと

『……しないと……いけない……けど』

「……良いよ？僕は別にそのまま海賊を続けてもらっても……ただ」

耳元でアインスは「そろそろ、あの姿も飽きたかなァ」と言いやがって

あんまりにも頭にきてしまったので、つい手が出てしまった。バチン！と、痛そうな音が辺りに響く。アインスの頬は少し赤く腫れてしまって、痛そうに顔を顰めていたけれどすぐにいつもの調子に戻った

『……！！……ッ！！』

「イタタ……はは！まるで喧嘩みたいだ

その態度からするに……肯定と受け取っても？」

『上等だよ……！！』

ああ、お陰様で決心がついた

美容師なんて、航海において必要ない。次からは手先の器用な奴らに髪を切ってもらえばいい

でもやっぱり、皆とここで別れるのは寂しいな。降りるって決意していたのに……いざとなると揺らいじまう

早くここから立ち去らないと

アインスの首根っこを掴んで強引に船から飛び降りて、振り返る。こんな別れになって本当にごめんな

『皆！今まで本当にありがとう！旅、すっげェ楽しかった……！ずっとずっと忘れねェから！

皆の事、大好きだ！』

そう言って俺は、アインスの手を握った