Episode.503 ページ20
水の都、
『……ゔー……』
「どうしたのよ辛気臭い顔して、妹に会えるの楽しみなんじゃないの？」
『いや……緊張が勝ってて……ほ、ホントに居るのかな……居てももう見分けがつかないくらい豹変してたらどうしよう……グレてたりしてたら……』
「反抗期の娘を持つ父親かよ」
だ、だって10年だぞ。10年経ったら人なんてめちゃくちゃ変わるからな……会いたいのは俺だけであっちはあっちで俺の事を忘れて平和に暮らしてるかもしれないし……
緊張で胃が痛くなってきた。早く島に着いて欲しいけど永遠に着かないで欲しい
「でも今日中には着くわよ、多分もう後数時間かそこらかしらね」
『早くないか？つい先日に
「だから近くの島だって言ってるじゃない。
「つーか俺は全く知らなかったんだけど、Aの故郷に行く事になってんだって？」
『ウソップ居なかったもんな話してた時……まァ色々あって……』
とりあえず軽く説明だけしといた、皆居る時に話そうと思ってたけどウソップ帰って来なかったから伝えずじまいだったんだよな
今伝えられて良かったけど、船降りるかも問題については黙っとこ……
「あ！そういやA船降りる云々のやつどうなったんだよ」
『言うなって』
「は！？聞いてねェぞどういう事だ！？」
『ほら、当初の乗船の条件は¨やりたい事が叶ったら降りる¨……だったじゃん。それ、妹に会う事だったからさ……』
「もう条件とか関係なく俺達仲間だろうがよ〜」
『うん、俺も正直こんな早く妹と会えるとは思ってなかったからさ……て言うか無理だと思ってた。こんな広い海で出会うなんて……
条件とか関係なく仲間だと思ってる、けど、一度約束と言ったものを捻じ曲げて船に乗ってまで追い掛けたい夢ももうないし……』
「だからって降りるのか？乗ってたらいつか見つかるかもしれねェだろ！」
『あーあー……この話……終わり！！』
逃げる様にその場を去った。俺だってもっとここに居たいけどさ
やりたい事を増やせばいい……って言うけど、難しい……
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作者名：鶯 | 作成日時：2023年1月6日 15時
