海と琥珀とそれから愛と vol.4【ONE PIECE】

Episode.172 ページ28

数秒後、砂埃は消えて視界は良好になった




空には爆風で散り散りになった雲がまばらに浮かんでいた







「……あの野郎…………！」



「……」



「……国を……守ったんだわ……」







国の為に身を挺し、爆発から守った




起こった出来事に頭が追い付かず、ただ立ち竦む事しか出来なかった







「…………オイ」



「！」



「……ウソだろ……」







ウソップの声で我に帰る




どうした、と声を掛けようとしたが、すぐに分かった









『……何で、まだ……戦って……』



「ッ……」







目の前に広がるのは砲撃が止まったのにも関わらず戦い続ける人々




そうか、この人達は、砲撃の事を知らない……




彼らにとって、まだ戦いは終わってないのか




唖然としていると、戦いの音に混じってビビの声が聞こえる









「戦いを！やめて下さい！！……戦いを！！やめて下さい！！」



「ビビ……」



「……バカね」








声を枯らす程の大きな声で訴えるビビ




すぐそこに、王女が居るのに




皆、何で気付かないんだ








「……！あんた達何ボーッとしてんのよ！殴ってでも蹴ってでも良いから反乱を止めるのよ！


さァ早く！！行って！！一人でも多く犠牲者を減らすのよ！！」



『……！』







ナミにそう言われ、急いで反乱の中へと飛び込んだ




反乱を




1秒でも早く、止めないと

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