比喩表現は物理攻撃と化す【ヒロアカ】

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『ただいま帰りましたー！』



「ああ、お帰りA……大丈夫？迷子にならなかった？」



『な……なりかけたのです』



「あら……そうよね、電車に乗ることなんてそんなに無かったものね。


普段はバスか車で移動してるんだし……慣れるまで時間がかかるかもしれないけれど頑張ってね」



『大丈夫なのです！明日は絶対に迷わないハズです！』



「ふふ、期待してるわ」






擬音ちゃんが何番線に乗ればいいのかと書かれたメモを貰ったのです、思い出せなくなったらこのメモを見ればいいのです！





「そうだわ……ねぇA、遅くなっちゃったけれど進級祝いがあるの」



『進級祝い！何かくれるのですか？』



「ええ、受け取ってくれるかしら？」



『もちろんなのですよ！』






んふふ、お母さんからのプレゼントなんて嬉しいに決まってるのです。いったい何でしょう？






「……Aは、覚えてるかしら。小さい頃にうっかり個性を使っちゃったこと」



『あ……えと、擬音ちゃんに、やっちゃったやつなのですよね』





私がまだ個性が出て一年も経たない頃に、擬音ちゃんに個性を見せたくて使っちゃったことなのです


あの時にはお母さんが居たからすぐに何とかなったのですけれど、怖かったのです





「……Aの個性って、お父さんと同じだけど使い方によっては私みたいな個性になっちゃうのよね。


……もちろん、お父さんもAも素敵な個性よ。だけど、私みたいに辛い思いはして欲しくなかったの。だからAから本を読ませるのを極限まで無くさせた……ごめんね」



『そんなことないのですよ、お母さんの個性。すっごいのです！』



「ありがとう、私も使い方次第なんだけれどね。使い方を誤ればヴィランと同じような事が出来てしまうの


A、これだけは覚えておいて。あなたの個性はむやみやたらに人に使ってはいけないわよ



……はい、進級祝い」





すっ、と差し出してきたものは本なのでした





「その本ね、とても素敵な比喩表現が使われているの


……ゆっくり読んで、色々覚えて行きなさい。そして立派なヒーローになるのよ」



『お母さん……！！ありがとうなのです！！大切に、大切にするのです！』






んふふ、絶対に立派なヒーローになってみせるのです






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比喩奈 寿(ことぶき)


旧姓は楤令葉(たられば)



個性:たられば



「〜だったら」「〜であれば」と言うとその通りになる。しかし効き目があるのは身内のみ



優しいお母さん、そして心配性。

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