日常記録3【爆豪勝己】 (ページ33)

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私も願い事を書いた短冊を手に、笹に結んでいると
そのすぐ隣にかつきくんが結びに来た

爆｢テメェは何書いたんだよ｣

貴｢んー？みんなが幸せでいられますように、って｣

爆｢……ンなこと願わんくても俺だけで実現できるわ｣

一瞬目を丸くしたかつきくんは、フッと優しく笑いそう言った

その表情にドキッと胸が鳴って思わず目をそらす

貴｢かつきくんは？なんて書いたの？｣

爆｢ハッ教えっかよ｣

そう言って私の届かない高い位置に笹を結ぶかつきくん

ずるい、と言ってやれば悪戯にニヤリと笑ってまたソファに座ってしまう

上｢どれどれ〜かっちゃんは何書いたのかな〜｣

私たちの会話を聞いていた上鳴くんたちがかつきくんの短冊を見に来た

貴｢読んで読んで！｣

爆｢ア゛？｣

私たちの声を聞いたかつきくんがそうはさせまいと、クワッと身を乗り出すも、それより読み上げられる方が早かった

瀬｢『アイツの幸せを守る』｣

一瞬の沈黙のあと、｢だってよ｣と瀬呂くんが私にニヤリと笑いながら視線を向ける

切｢男らしいぜ…！爆豪！｣

上｢かっちゃんてかわいいとこあるよなぁ｣

瀬｢書き方がばくごーらしいけどな｣

爆｢るっせぇわ！文句あんのか！｣

〝アイツ〟は自惚れじゃなければきっと私の事で

付き合っていても普段甘ったるい言葉をかけてくれるような人じゃないから

そんなことを短冊に書いたなんて知ったら、頬が緩む

爆｢テメェも笑ってんじゃねぇよ｣

貴｢ふふ……かつきくん、これじゃお願い事になってないよ｣

ソファから立ち上がったかつきくんはズカズカと私の前にやって来て、笑ってる私に不服そうな顔をする

爆｢お星様、なんぞに叶えてもらうような願いじゃねぇンだよ、俺のは｣

ムニッと頬を抓られて｢いひゃい｣と言えば、悪い顔をして笑いながら

爆｢この手で叶えてやっからテメェは大人しく隣に居とけ｣

わーったな、と頬を離した手は無造作に私の頭を撫でた

願い事を書くはずの七夕を、まるで宣戦布告のようにしてしまうかつきくんに呆れながらも、そんな彼らしい言動がやっぱり好きだなと改めて思う

そんな七夕の今日は、天の川が流れる綺麗な夜空が広がっていた