日常記録3【爆豪勝己】 (ページ25)

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使ったお皿を爆豪が洗って、言う通りに渡された食器を拭くけど、ぜんぜん話してくれない

教えてよ、と再度催促しても一向に聞いてくれなくて、我慢できずにグイッと顔を覗き込む

貴「ねーえー、教えてくれるまで帰んないよ？」

バチッと目が合った爆豪はギョッとしていた

爆「クソ鈍感」

ボソッと吐き捨てた言葉は小さくて聞こえなかった

洗ってる途中のお皿をシンクに置いて、水道を止める爆豪

貴「教える気になった？」

そう問えばゆっくりとこちらを向いた爆豪の表情は真剣で、不思議と身構えてしまう

貴「……ばくごーさん？」

暫く黙ったまま私を見下ろす爆豪に呼びかけてみれば小さなため息を吐いた

爆「テメェのこと好き以外に理由ねぇだろ」

貴「え、

ん？……好き…」

自分で声に出してみて、漸く理解する
驚きのあまり、持っていたお皿を落としそうになった

なんでンな鈍感女好きなっちまったんだか、ともう一度ため息と一緒に吐いた言葉が脳内をぐるぐるする

貴「え、？え、爆豪がわたしを？すき？」

爆「そー言っとンだろーが」

貴「いやいや、急に！ぜんぜん、そんなっ、素振りなかったじゃん！てっきり女として見てなかったかと！」

慌てた口調はいつもより早口で、自分でも何言ってるのかよくわからない

爆「急じゃねぇし、写真がその素振りだろーが

テメェが鈍すぎんだよ」

貴「だ、だだって、写真だって今日気づいたし！」

爆「つーか、ダチとしか思ってねぇのお前の方だろ」

タオルで自身の手を拭いた爆豪はその手でわたしの手首を掴んだ

爆「で、ここまで言わせたンだ

今日は帰ンなよ」

真紅色の瞳に呑まれそうになって、呼吸するの一瞬忘れていたと思う

聞いとンのか、という爆豪の声に我に返った

貴「なっ、か、帰んなってそれ、……っ！！むり！帰る！」

断っているというのに爆豪は嬉しそうにニヤリと笑うから、訳が分からなくて余計混乱する

爆「そーゆー反応するっつーことは
ちったぁ俺のこと男として見てるみてぇだな」

貴「ちっ、ちが！も、もう！離して！」

振りほどこうとした手を更にぐいっと引かれて距離が縮まる

爆豪の胸にぶつかりそうになって、咄嗟に空いた手で壁を作る

爆豪の顔を見上げると、さらに悪戯に微笑んでいた

爆「言ったからにはぜってぇ落とす

覚悟しろA」

きっと今の私は顔真っ赤で、沸騰直前だった