日常記録3【爆豪勝己】 (ページ10)

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秘密ページ10

付き合っていることを隠そうと言ったのは爆豪なのに

最近なんだか様子がおかしい

貴「ちょ、近いって」

爆「ンなことねーだろ」

貴「んなことある！」

休み時間、さっきの数学の授業で分からなかった所を見直していると背後から爆豪がそれを覗く

顔の真横に爆豪の顔がきて、どうみても普通の距離じゃない

上「お、青春やってんねぇ〜」

案の定、上鳴に冷やかされて2人口を揃えて「うるさい/せぇ」と跳ね返した

こうやってネタにされるのが嫌だから、皆には黙ってようって、爆豪が言ったのに

私も、初めは私と付き合うこと言いたくないのかな、なんて悲しくなったけど、たしかに冷やかされるのが好きな人はいない

だから2人でそうやって決めて、他の人の前ではこれまで通りにしようと話したのに

上鳴に言われてからも私を囲うように後ろから両腕を机に置いて、説明し始める

周りの視線がうるさくて、気が散っていると「集中しろや」と怒られた

それだけじゃない、訓練で男女ペアを作れってときも一瞬爆豪と目が合ったけどその気持ちを抑えて近くにいた瀬呂を誘おうとしたら

爆「てめぇは俺とだ」

なんて勝手に引き剥がされる
瀬呂がニヤついてこっちを見てるから恥ずかしくなって爆豪を睨むと、そんなことはお構いしなしだ

貴「ねぇ、最近約束守ってないよね？」

いい加減みんなを誤魔化すのもキツくなってきて
夜、爆豪の部屋に来たときにそう話した

爆豪はベッドの上で寝転がって仰向けに本を読んでいた

爆「そォか？」

貴「そうだよ……て、ちゃんと話し聞いてる？」

爆「あー、聞いてる」

一切視線をこちらに向けないし空返事みたいな返答だからムカッときて私もベッドに這い上がる

貴「聞いてないでしょ！」

爆豪の上を跨ぐように覆いかぶさって本をべシッと閉じると、ギョッとした顔の爆豪と目が合う

爆「簡単にベッド上がってんじゃねぇ」

貴「だって私の話聞いてないんだもん」

爆「聞いとるっつっただろーが」

少し怒ったような表情で今度は逆に組み敷かれる

見下ろされた爆豪にギロリとした目で

爆「このまま喰われたかなきゃァ、今日は部屋戻れ」

貴「なっ」

この表情は冗談を言ってるときの顔じゃない
「守りゃいんだろ」と目も合わさず私の上から降りて、また本を読み始めるから

なんか上手く丸め込まれて話をすり替えられた気がするけど、その日は大人しく部屋へ戻った