日常記録3【爆豪勝己】 (ページ4)

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貴｢……こーゆーの、やめて｣

振りほどこうとした手の力は思いの外強くて
振り解けない

爆｢理由言え｣

貴｢やだ｣

爆｢なら離さねェ｣

さらにギュッと力が籠ったのを感じで
私の力じゃ抵抗できないのがわかる

貴｢……｣

爆｢黙ってンなら一生このままだ｣

そんなこと、できないくせに
私は、一生このままでいたいのに

そう思ったら目頭が熱くなった

貴｢勘違いさせるようなことしてんのはそっちじゃん

こっちの気も知らないで、かき乱すようなことやめて｣

爆｢は…………｣

投げやりに放った言葉にばくごーの握っていた力はほんの少し緩み、それと同時に逃げ出した

｢帰る｣とだけ言って荷物を持って玄関に急いだ

爆｢は、ちょ、待てや｣

ばくごーの声を無視して
走ってそこから離れた

しばらくして、ここまで来れば大丈夫だろう、と足を止めた

そもそも追いかけてさえ来ないかもしれないのに

ふぅ、と上がった息を整えてると

爆｢何言い逃げしとンだ｣

後ろからばくごーの声がして慌てて振り向くと
キレ顔をしてこちらに向かってくる

貴｢っ｣

急いで再び走り出すものの

ガシッと腕を掴まれて、呆気なく捕まり私を無理やりばくごーの方へ向かせる

爆｢俺から逃げ切れると思ったンか｣

どう言い逃れしよう、なんて俯いて考えていると
ばくごーの自信ありげな声にムッとして顔を上げる

ニッと笑うばくごーを見て不覚にも胸がなった

貴｢……追いかけて来ないでよ｣

視線を逸らしてボソッと呟くと｢無理｣とはっきり返されてしまう

貴｢……期待させるような事しないでって…言ってんじゃん｣

爆｢無理｣

貴｢は…？なにそれ、

ばくごーのそれって、私にも、あの子にも失礼だから｣

無理しか言わないばくごーに怒りを超えて呆れていた

爆｢てめぇはさっきから何一人で勘違いしてンだよ｣

貴｢はい？｣

もうどうでも良くなって道の端の暗がりに咲いている花を眺めたがら聞き流した

爆｢ちゃんと話聞け｣

貴｢んっ｣

ほっぺをギュッと潰されてばくごーと視線が絡む

爆｢ハッ、ブッサイクだな｣

そっちが勝手にやっといてなんなんだ
どうせあの子みたいな可愛げはないし、女っぽくもないですよ、と心の中で憎まれ口をたたいて、ギロっと睨む

私の怒った表情を見てなぜか嬉しげに笑うから
本当意味がわからない、と思ってると

ばくごーはゆっくりと距離を詰めて

貴｢っ！？｣

触れるだけのキスをした