その25 ページ26
小夜が極みの旅に出たことで、審神者は少し退屈していた。いつもなら、すぐ側には小夜がいたからだ。陸奥守がいないときは小夜が一緒に遊んでくれたり、二人で一緒に柿を食べたりした。審神者は一人、歌仙が剥いてくれた柿を一つ食べるが、何か物足りなくてすぐに食べるのを辞めて、一人で庭を眺めていた。
A『……はぁ。』
一人で柿を食べ、一人で庭を眺め、一人で溜息をついている審神者を影からみていた前田、平野、秋田。
前田「主君……寂しそうですね。」
平野「小夜さんが極みの旅に出てからずっとあの調子です。」
秋田「そうだ!薬研兄さんに話してみましょう!」
前田「そうですね、言ってみましょう!」
前田達は部屋に戻ると薬研達がいた。薬研は前田達に呼ばれると読んでいた本を閉じる。
薬研「どうした?前田。」
前田「はい!実は……」
前田は薬研に審神者がさみしがっていることを話すと薬研はうーんと唸る。
薬研「そいつは重傷だな。」
平野「僕たちに何かできないでしょうか。」
前田「主君が可哀想です。」
薬研「んー……」
薬研が再び考えていると乱がばたばたと走って部屋に慌てて入ってきた。
乱「大変だ!!」
薬研「どうした、乱」
乱「あ、主さんが…引き篭もっちゃった!!」
審神者部屋の前には歌仙、青江、一期、長谷部、燭台切、陸奥守、和泉守、大典太、蜻蛉切などがいた。粟田口の短刀たちは一期に話を聞く。
薬研「一兄!大将はどうしたんだ?」
一期「それが……」
一期曰く、小夜がいない寂しさのあまり、部屋に籠もった上に、陸奥守は愚か…刀剣の出入りを禁じたという。長谷部たちでお菓子で吊ってみたりしたが出てこないという。
陸奥「よし、わしが言ってくるぜよ。」
和泉「正気か!?主はお前にも出入りを禁じてるんだぜ!?」
陸奥「わしは、主の初期刀ぜよ。こんな時こそ、ビシッと言ってやらにゃいかん!」
陸奥守は審神者の部屋に入る前に「参る!」と言って部屋の中に入って行った。
陸奥「主、小夜がいなくてもわしがおる。だから、こないなことはやめい。な?」
と陸奥守の声が聞こえる。刀剣達は耳を澄ませて聞いていたが、審神者の声は聞こえなかった。しばらくしてから陸奥守が出てきた。
和泉「おい、大丈」
陸奥「………(チーン」
和泉「陸奥守いぃ!?」
陸奥守撃沈。その場に蹲って動かなくなった陸奥守をみて薬研は呆れた。
薬研「しっかりしてくれや、旦那。」
薬研が慰める。
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七夏(プロフ) - ああァァ嗚呼むっちゃん!カッケェよ! (2021年1月16日 0時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - 続編おめでとうございます°・(ノД`)・°・ほんとこの話好きなので嬉しいです!ちなみに46話が見られないのですが編集中とかでしょうか、、、? (2018年11月6日 8時) (レス) id: 3b6497bb9f (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - はじめまして!むっちゃん、お小夜…大好きだぁぁあああ!この作品はとても面白いです!これからも頑張ってください!応援しています! (2018年11月2日 20時) (レス) id: 7406046dda (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 初コメです!とても面白いです!これからも更新、頑張ってください! (2018年10月2日 7時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:編集下手くそマン | 作成日時:2018年10月1日 5時