幼女といくブラック本丸

その5 ページ6

陸奥「主はどこに行ったんじゃろう。」

小夜と手分けして本丸中を歩き回る陸奥守、中庭側を歩いていると小夜が走ってきた。

陸奥「小夜！主は？」

小夜「離れにも厠にもいなかった………」

今夜は綺麗な月が本丸の真上で輝いていた。二振りを煽るように夜風が吹く。

陸奥「……嫌な予感がするぜよ。」

小夜「……同感だよ。」

二振りの嫌な予感は的中した。

こ「陸奥守様！！小夜様ー！！」

こんのすけが顔を涙と汗と鼻水でぐちゃぐちゃにしながら陸奥守に飛びつくが、陸奥守は服に付く寸前のところでこんのすけをキャッチする。

陸奥「こんのすけ！？……主は…主はどうした！！！！」

こ「申し訳ございまぜんー！！！！(大号泣」

こんのすけは泣きながら、鶴丸に審神者が拉致されたことと恐らく審神者がいるであろう居場所を陸奥守達に伝えた。

こ「このこんのすけ、手も足も出ず……まことに申し訳ございまぜん…！！！(泣き」

陸奥守はこんのすけを怒鳴るわけでもなく、頭を撫でてこんのすけを慰めた。

陸奥「おんしはよう頑張った。後は……わしらに任せぇ…………」

陸奥守と小夜はここに来た時よりも殺気を放ち、審神者のいる部屋……「三条派の部屋」へと風の如く、走った。

一方…

鶴丸「三日月、連れてきたぞ。」

鶴丸は審神者の背中を押して、部屋の中へと入れる。審神者が中を見回すと五振りの刀剣が審神を見ていた。

小狐「これが審神者だと？まだ幼子ではないか！！」

岩融「小さい手足だな？俺が握れば粉々になりそうだな？ガッハッハッハ！！！」

今剣「いわとおし！このおさなごはまだいつつにもみたないこですよ？」

石切「今剣さんの言う通り、七つまでは神の子だからね。残念ながら殺せないかな？」

三日月「しかし、殺せずとも…「隠す」ことならできるだろう。………幼子よ、名はなんと申す？」

審神者はちゃんと正座をして、彼らの目を見てから

A『名前は教えられ…ない。』

審神者は生まれたときから陸奥守達に刀剣達に真名を言ってはいけないと教育されているため、真名を聞かれても教えなかった。

三日月「……あなや。」

今剣「とうけんのくせにちゃんとさにわをきょういくしているのですね！」

小狐「こんな小娘！八つ裂きにしてしまいましょう！」

小狐丸は殺意をむき出しにし、審神者に手を伸ばすと

スパーン！！！

小狐「なっ！？誰だ！？」

部屋の外にいた鶴丸が障子を突き破って吹っ飛んできた。外にいたのは。

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