幼女といくブラック本丸

その35 ページ36

小夜「でも、誰が主をみるの？」

陸奥「………そうじゃ、忘れちょった！！」

演練に出ると刀剣たちは大戦相手と戦っている間に審神者は一人になってしまう。それはなんとしてでも避けなくてはいけないことだった。なんせ、陸奥守と小夜は言わば保護者も同然であり、超がつくほど過保護なのだ。

陸奥「うむ……演練に参加する六振りと主につく刀一振りじゃな。」

宗三「それなら、適任の刀がいますよ。」

宗三がその刀剣の刀の名を言うと。

陸奥「確かに！あいつにぴったりじゃき！」

小夜「任せられるね………」

陸奥守たちも賛成し、さっそくその刀剣の所に向かった。中からはわいわいと子供達が騒ぐ声が聞こえてくる。小夜が障子を叩くと一振りの短刀が出てきた。

薬研「お、珍しいな？大将達じゃねーか。」

陸奥「おん、一期はおるか？」

薬研「いるぜ、ちょっと待ってな？おーい、一兄ー！！お客さんだ！！」

薬研が「一兄」と呼ぶ人が部屋から出てきた。その刀剣は笑顔がよく似合い、お伽噺に出てくる王子さまのような刀剣だった。

一期「私に何か御用で？」

陸奥「実はのう？おんしに頼みたい事があるぜよ。」

一期「私に……ですか？」

陸奥守は審神者を持ち上げ、一期に審神者を見せる。

一期「あ、主殿！？」

A『……どーも。』

陸奥守は一期に審神者を渡すと、一期は咄嗟に審神者を抱っこした。

一期「主殿は…弟たちよりも小さくて軽いですね？ちゃんと食べてますか？」

A『食べてます…』

陸奥守は一期と審神者が中睦まじく会話をしているのをみて、うんうんと頷いていた。

陸奥「一期、おんしに主の子守りを任せたいぜよ。」

一期「私に……ですか？」

陸奥「そうじゃ、演練に行ったら主を見るやつがおらん。おんしは兄弟が多いき、だから子守りを任せたいぜよ。」

一期は自分の腕の中にいる審神者をじっと見つめる。審神者も一期を見る。しばらく考えた一期は結論を出す。

一期「私でよければ引き受けましょう。」

陸奥「ほんまか！？よかったのぅ、主！！」

A『……うん。』

審神者の表情は無ではあるが、声からして嬉しそうだった。その後、審神者が結成した部隊と一期で翌日、演練に出発した。

陸奥「お、わしらの出番じゃ！」

和泉「腕がなるぜ！」

青江「笑顔が一番だよね？」

小夜「……戦いが一番落ち着くよ」

髭切「鬼はいるかな？」

膝丸「兄者………(汗」

陸奥守達が大戦相手の刀剣達と握手を交わして配置につく。

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