【セ.ン.ラ】飼い犬になりました。【歌.い.手】

いつまでも ページ28

お腹空いてもその場を離れずにご主人を待ってどのくらい経ったんでしょう。１時間は待っている気がします。




『くぅ〜んくぅ〜ん…』




し「A、ご飯だけでも食べた方がええで？トイレも行かないと体に悪いで？」




『………わふっ』




…嫌です。お腹空いても待ちます。ご主人は今頃ちゃんとご飯を食べてるでしょうか…。




し｢センラは明日帰って来るみたいやし、いま待っても意味ないと思うで？｣




『……』




……もしかしたら今日帰ってくるかもしれないでしょう？私は一番最初にご主人におかえりと言いたいのです。

すると、ドアの向こう側でこっちに歩いてくる音が聞こえました。ご主人！？




う｢おっじゃま〜｣


さ｢本日二度目のまーしぃの家！｣




なんとご主人にではなくうらたさんと坂田さんでした。しかもなんと志麻さんに呼ばれたから来たみたいです。




し｢やっぱり食べへんし動かんわ…｣




う｢んー…あっ、やまだならいけるんじゃね？｣




さ｢じゃあ動物だけにしようや！｣




なんの会話をしているのか解りませんが私は見向きもせずにドアを見つめました。




や｢きゅーんきゅーん(ご飯食べてないの?何で?)｣


『わん…わふっ…(ご主人がいないからです)』


や｢きゅーんきゅーんきゅーん(ご主人の悲しむ顔は見たくないでしょ?食べた方がいいよ?)｣


『………』




それとこれとは違うんです。でもご主人の悲しむ顔を考えたら私も悲しくなってきました。

のそりと動いて志麻さんが隣に置いてくれたご飯に口を付けるとドアがバタンッと開いてご主人が帰ってきました。




せ｢Aちゃん！｣




『わん！』




せ｢なんで玄関におるん！？ご飯にも口付けてないやんか！センラのこと待ってたん！？ダメやんかもぉー！ちゃんと食べてやー！｣




ご主人は私をぎゅーっと抱き締めてくれました。

するとリビングのドアが開いてうらたさん達が出てきました。




う｢やまだー！よくやった！｣




し｢センラ帰ってくるん早かったやん！どしたん！？｣


せ｢Aのことを考えてすぐに終わらせてきた！｣


さ｢うわ、ガチ恋やん((｣


せ｢うっさいわ、バカ｣




うらたさんはやまだぬきを抱っこして撫で回していました。やまだ、ありがとうございました！




せ｢じゃあ、センラ達は帰るわ！ありがとうなー！｣




『わん！』




お邪魔しましたー！

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