光り輝く蝶 6 (ページ10)

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平凡の中の幸せページ10

JN side

目の前には沢山のケーキが並んだショーケースと、何のケーキを食べるか悩んでいるヌナの姿が。

JN ｢何択まで絞れたの？｣
｢二択！｣
JN ｢お。何と何？｣
｢フルーツタルトとレアチーズケーキで悩んでるんだけど……どっちがいいかな｣
JN ｢じゃあ二つ注文して半分こしようよ｣
｢いいの！？｣
JN ｢うん、座って待ってて｣

今日はオフの日で、ヌナと久しぶりに二人で出掛けている。
洋服を沢山買い、ひと休憩しようとふらっと入ったカフェはケーキがすごく美味しそうで、ヌナがどれにするか悩みに悩んでいた。
その姿も可愛くって、ムフムフと笑いながら決まるのを待っていたんだけど、二択まで絞れたと言うからそれなら半分こしようと提案した。
席で待っててと伝えると、俺の荷物まで席に持って行ってくれる。
こういう些細な気遣いにも、日々尊敬するんだよな。

ヌナの好きなアイスラテと俺のアメリカーノと、さっきのケーキを乗せたお盆を持ちながらヌナの待つ席に向かう。

JN ｢お待たせ｣
｢わ〜ありがとう｣

そう言って鞄から財布を出そうとするから、｢ヌナ｣と呼ぶとその意味が分かったのか眉を下げたので、人差し指でヌナの眉間をちょん、と押す。

｢ふふ、ジェノありがとう。いただきます｣
JN ｢はーい。ヌナ良い子｣

一口食べると、大きな目を見開いて｢美味しい｣と素直に零すもんだから、自然と俺の目尻が垂れ下がる。

ジェノも食べてみな、と促してくれたケーキには当然のように一つしか乗っていなかった大きな苺が乗っていてヌナのこういう所が良いよなぁとしみじみ思いながら切り分けてくれたタルトの端っこを少し食べる。
美味しいねと言うと、まるで自分が作ったかのように嬉しそうにするヌナを見て温かい気持ちってこういう物かと気付いた。

大きな苺にフォークを刺し、ヌナの口元に持っていくと｢これはジェノの分だよ〜｣と受け取ってくれなかったから少し強引にヌナの口に入れるともぐもぐした後に｢……これはジェノの分って言ったのに｣と食べてしまった事が不満そうで可愛い。

JN ｢ヌナといると本当に飽きないね｣
｢私なんにも楽しい事してないよ？笑｣
JN ｢ありのままでいいの、ヌナは｣
｢わ〜〜嬉しい事言ってくれた、ジェノりん｣

これは平凡の中に沢山の幸せが散りばめられた俺とヌナの素敵な1日。

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