光り輝く蝶 6 (ページ4)

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マンネを惑わせるヌナページ4

JS side

外に出たくないぐらい寒くなってきて、いつの間にか白い息が出る季節になった。
いつもはこの寒さだったら一歩も外には出ないのに、そんな中厚着をして外に居るのには理由がある。

｢お待たせ〜！ごめん寒いのに待たせちゃって｣
JS ｢全然待ってないから大丈夫ですよ｣

そう、今日はヌナと二人で出かける約束をしていた日。

宿舎を出る時はヒョン達から散々文句を言われたが、｢ヌナに誘われた｣と言うとさっきまでの威勢はどこに行ったのやらと思う程、皆してしゅんと黙ったからちょっと面白かったな。

隣で両手を合わせながら寒さに耐えてるヌナを見て、本当にこの人は綺麗な人だな。と改めて思わされると同時に、この人は指先まで綺麗なんだし逆に悪い所はどこなんだ。と少し考えたがやっぱり悪い所なんか出てこなかった。

コンテンツ撮影の後、ヒョン達には気付かれないようにコソッと｢チソンア、クリスマスマーケット行こうよ｣と誘って来たヌナ。
なんで俺と？と疑問はあったけど｢行きましょう｣と返事をし、今日を迎えた。

毎年この季節になるとクリスマスマーケットが開催されていて、そこは大いに人が集まる。
寒いのは嫌いだけど、クリスマスの雰囲気は凄く好きだ。
俺はマフラーに口元をうずくめているからギリギリ目元だけ見えているけど、ヌナはこの人だかりの中で帽子もマスクも付けていない。ドヨニヒョンが言ってた通り、本当に危機感の無い人だ……笑

｢わぁ、ホットチョコレートだって！飲もうよ！｣

子どもみたいに目を輝かせて俺の服の袖を掴んだヌナ。
その無自覚な行動が可愛くてクスッと笑みがこぼれた。

JS ｢いいですね、飲みましょう｣

鞄から財布を取り出すと、その手をヌナに押し込まれ財布が鞄に逆戻りした。

｢私が誘ったんだからチソンはいいの｣

優しい笑顔でそう言ったヌナに何も言い返せずにいたら、いつの間にかヌナの両手にはホットチョコレートが握られていた。

JS ｢ありがとうございます｣
｢いーのいーの｣

白いマシュマロがプカプカと浮かんでいるホットチョコレートを一口飲むと、口の中が一瞬で甘々になった。
ヌナを見ると、目を大きくして｢美味しい｣と笑っていたから俺も釣られて笑顔になった。

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