光り輝く蝶 6 (ページ20)

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宿舎まで送ると言ったけど、まだ早い時間だし電車で帰るから大丈夫だよと頑なに言うので珍しく折れて、駅まで並んで歩く。
見慣れた街並みなのに、隣にヌナが居るだけで初めて来た場所なんじゃないかと錯覚するくらい俺は行く所まで行ってしまっているみたいだ。

｢自然に駅まで来てくれてるけど、ジェミンは歩いて帰れるんだよね？ごめん駅まで歩かせちゃって｣
JM ｢宿舎まで送れないんだから駅ぐらいまでは行かせてよ｣

少し前まで切符の買い方も、電車の乗り方も知らなかったヌナだから一人で電車に乗る事自体、俺はまだ反対だけどね。
まぁこんな事言っても｢お嬢様扱いしないで｣ってヌナはぷりぷり怒っちゃうんだろうけど、ヌナは俺にとっての姫だからなぁ、それは永遠に出来ない約束かも。

JM ｢大丈夫？切符買える？｣
｢もう大丈夫だよ、何回も買った事あるもん｣

そう言った割には、券売機をさわる指はゆっくりでその姿が可愛くてヌナには内緒で写真に収めた。

電車が来るまでまだ時間があったから、ベンチに座って時間を潰していると、ヌナが自販機で飲み物を買ってきてくれた。
俺の好きなコーヒーを当たり前みたく渡してくるから、俺の心臓が大きな音をたてる。

ヌナから貰ったコーヒーを飲みながら話していると、あっという間に電車が来る時間になってしまったから、改札までヌナを見送る。
改札を通って、歩きながら振り返って俺に手を振るヌナ。
｢後ろ見ながら歩いちゃ危ないよ｣の気持ちと｢わざわざ振り返って手を振ってくれるなんて可愛すぎる｣の二つの気持ちが入り混じる。

JM ｢ヌナ！世界でいちばん好きだよ！｣

俺がそう叫ぶと周りを見渡して、口元に指を当て｢静かに｣と言わんばかりのジェスチャーをした。反応が可愛いからついついからかっちゃうんだよなぁ。
焦っていたヌナの姿に笑みが溢れてきて、一人でフッと笑う。

ふと携帯を見るとヌナから｢人いっぱい居る所で冗談でもあんな事叫んじゃダメ！すぐ記事になっちゃうんだから！｣とカトクが来ていた。
ヌナは怒ってたけど、それも可愛いと思ってしまい、今俺はこの文面とは正反対の甘い表情をしていると思う。

JM ｢ふふ、冗談か……｣

JM ｢ヌナが1番分かってると思うけど……俺嘘はつかないからねぇ｣

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