光り輝く蝶 6 (ページ19)

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嘘はつかないよページ19

JM side

｢ジェミンの口からは嘘が出ないよね、そういう所が凄く良い｣

俺が20歳の頃、ヌナに言われた一言がずっと脳裏にこびりついている。
俺自身、本当に嘘はつかずに素直に何でも口にするからヌナがそれに気付いてくれていたのがすごく嬉しかった。

ヌナと初めて出会った時、頭を鈍器で殴られたみたいに目眩がした。
悪い意味じゃなくて、ヌナが眩しくて目眩がしたんだ。
当時のヌナも今と変わらず本当に綺麗で可愛くて愛嬌があって……自分でも気付かない間にヌナの事を愛おしい目で見るようになっていた。

JM ｢ヌナ、アイス食べに行かない？｣

ダンス練習が被った日、練習終わりにヌナを誘うと｢うん、行こう｣と二つ返事であっさり来てくれる事に。

ヌナが食べたいと言っていた味のアイスを俺の分と一緒に注文し、店内の席に向かい合って座る。
目の前で幸せそうにアイスを食べるヌナを、傍から見れば溶けそうなぐらい甘い目で見ているんだろうな、俺は。

JM ｢ヌナのひと口頂戴｣
｢はい、どうぞ〜｣

アイスをすくって、俺の口の前にスプーンを持って来る。
ナチュラルにヌナからのあーんを貰って口角の緩みが抑えれない。

JM ｢ヌナがそうやってくれたから美味しい｣
｢ふふ、なにそれ。ドリムの皆も来たがってたから連れてきたら良かったかなぁ｣
JM ｢他の奴らはいいよ。ヌナと二人で来たかったんだもん｣
｢正直者だね…笑｣

少しの沈黙の後、俺はアイスを食べ続けていたんだけどテーブルに両肘をついたヌナがあの言葉を言ったんだ。

｢ジェミンの口からは嘘が出ないよね、そういう所が凄く良い｣

それを聞いた時、何故か分からないけどアイスを食べる手が止まってしまい、ヌナの顔をじっと見つめていた。
真っ直ぐに俺の目を見るヌナと俺の視線が交わった時、目を逸らしたくない気持ちでいっぱいだったんだ。

｢アイス垂れてる！｣

ヌナの声で意識がハッキリし、指に垂れたアイスの冷たい感覚が体に伝わってきた。

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