光り輝く蝶 6 (ページ18)

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奇妙でも心地良いページ18

DY side

隣で俺の後頭部を撫でながら、反対の手で俺がCMを務める会社のハンバーガーをモグモグ食べているA。

右手と左手で器用に違う動きが出来るのはピアノをやっていた影響なのか分からないけど、この変な状況に俺も何も言わずに座っているのは傍から見れば奇妙な光景だろう。

DY ｢器用に両手使うね｣
｢ドヨンの後頭部丸くて触りたくなる｣

会話になっていないけど、それすらも心地良いと感じるのは後頭部に添えられた手のせいかもしれない。

この奇妙な光景をこっそり動画に収めてインスタグラムのストーリーに載せる。
動画を撮ったのがバレていないかチラッと横目で確認したけど、Aはテレビに夢中でハンバーガーにかじりついていた。

俺はよくSNSで俺たちの事を調べるんだけど、ファンの皆が｢Aの食べ物を食べている姿は小動物みたいで可愛くてたまらない｣と言っているのを目にして、思わず深く頷いた。

今も頬をぱんぱんにして食べている姿が愛おしくてたまらない。
じっとAの顔を見ていると、俺の視線に気づいて目が合った。

｢なに？｣
DY ｢このハムスターみたいな顔見てると、シズニの気持ちが分かるよ｣
｢それ褒めてんの？｣
DY ｢褒めてるよ｣
｢ドヨンが飼い主さんだったらきっと良い暮らしさせてくれるだろうな〜｣
DY ｢早寝早起きさせる｣
｢ハムスターに？笑｣

ケラケラ笑うAを見て、自然と口角が上がってしまうのはもう何年も前からの事。
こう言う平凡な生活の中でも、Aは愛おしいという気持ちを感じさせてくれるし、楽しさや新しさを沢山教えてくれるから一緒に居て退屈だと感じる瞬間がない。

｢お、ドヨンのCMだ！｣

テレビを指さし、｢口にソースつけてる…赤ちゃんだ…笑｣なんて言ってクスクス笑うAの口には今さっきかじったバーガーのソースがついていて呆れる…笑

DY ｢ここにも赤ちゃんが居るけど？｣

ソースを拭ってあげると、恥ずかしそうに溜息をついた。

DY ｢本当に俺が居ないとダメだね、エギ｣
｢そうだね、アッパ｣

てっきり｢そんなわけない｣と言われると思ってたから返事に困ったけど、Aは何も無かったかのようにまた俺の後頭部を撫で始めたからテレビに視線をやり、この奇妙な光景を受け入れて目を細めた。

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