光り輝く蝶 6 (ページ14)

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ずるいのはどっちページ14

HC side

｢はぁ〜〜〜、私に出来る、かなっ、｣

目の前でネガティブ発言を連発してテーブルに突っ伏しているのはお酒を片手に持ったAヌナ。

どうやら歴史ドラマの仕事が舞い込んできて、自分で大丈夫なのかと不安らしい。

仕事の事で相談がある、と呼び出されヌナの部屋に行ったんだけど、飲みながら話していたので呼び出した本人はもうベロベロ。

｢けどやるしかないんだよ〜〜っ…｣

持っていた缶チューハイをグビっと飲み干し、新しい缶を開けるヌナ。

HC ｢飲みすぎ、もう終わり｣
｢えぇ〜っ…まだ飲みたいっ…｣
HC ｢そんな顔真っ赤にして何言ってんの、だーめ｣

ヌナの手からお酒を取り上げ、俺がそれを飲むと溶けるようにテーブルに項垂れた。

HC ｢けど凄いじゃん、歴史ドラマなんて ヌナが頑張ってるからそんな大きな仕事貰えたんだよ｣
｢頑張ってるけどっ…ぷれっしゃー…｣
HC ｢まぁそうだよね、歴史ドラマって見てる人の幅が広いからNCTのヌナを知らない人も居るだろうしね。 けどいつも通りヌナらしくしてたらいいと思うよ？変に着飾らなくてもさ、ヌナの魅力なんか死ぬほどあるんだし｣ 

思った事をポツポツと零すと、項垂れていたヌナとパチッと目が合った。

HC ｢何…笑｣
｢ヘチャン…いいこというっ……がんばるっ…わたしらしくっ…｣

そう言って大きな目からぽろぽろと涙を流し始めたので、この相談会は終了。

酔っ払ったヌナをベッドに寝かせた瞬間、俺の首に腕を回してきたから自然とヌナの顔の横に手をつく体勢に。

HC ｢ヌナ？｣
｢ありがと、ドンちゃん……｣

そう言って俺の頬に右手を添え、優しく微笑むから心臓が大きな音を立てて跳ねた。 

HC ｢ドンちゃんなんて呼んだ事ないじゃん｣

平常心を装い、ヌナの頬にちゅっとキスを落とすと ｢……ずるい｣と頬を赤く染める。

ずるいのはどっちなんだろうね、俺は間違いなくヌナの方だと思うけど。

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