光り輝く蝶 6 (ページ13)

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それから5日程でAの体調は戻ったみたいで、今日のダンス練習には参加していた。

お昼でダンス練習は終わったから、その後は真っ直ぐ宿舎に帰り、Aと二人で映画を見てゆっくりと一日を過ごした。

ご飯もお風呂も済ませて、ソファに並んで映画を見ていたんだけど、俺の肩にこてんと頭を預けてきたA。

こうなったら眠い証拠。
気付けば時計の針は2時6分を指していた。

JH ｢そろそろ寝るか｣
｢うん…｣

テレビの電源を切り、二人で部屋に向かう。
本来なら、隣同士の部屋だから入口で別れるんだけどAが熱を出していた時に言っていた事を思い出し、呼び止めた。

JH ｢一緒に寝る？｣
｢え、いいの？｣
JH ｢うん。どうぞ｣

部屋に入ると俺が脱ぎっぱなしにしていたパーカーを手に取った。

｢これ着てもいい？｣
JH ｢昨日着てたやつだけどそれでも良いなら｣

そう返事をすると嬉しそうにTシャツの上から俺のパーカーを着て、ベッドに寝転んだA。
パーカーのサイズが大きいのか、鎖骨あたりがもろに見えてたから｢サイズ合うのにする？｣と聞いたが、｢これで大丈夫｣と満足そうにしていた。

二人でベッドに潜り、電気を消す。
本格的に寒くなってきたから暖房をつけているんだけど、それでも寒いから足元の毛布を手繰り寄せ、Aにそっとかけた。

｢ユノも毛布使ってよ、私だけじゃなくて｣
JH ｢俺はこうするから大丈夫｣

布団の中でAの手を握ると、優しく微笑んでその手を握り返されたから思わず抱き寄せた。

｢ふふ、寝ずらくない？笑｣
JH ｢全然｣
｢あー…明日も早いね｣
JH ｢そうだな、早く寝よう｣

本当はこうしてAを抱き寄せながら、ずっと話していたいんだけど、明日早いのは事実で変に強がってしまう。

暫くすると規則正しい寝息が聞こえてきて、安心と少し残念な気持ちが混じりあった変な気持ちになった。

Aは今までどんな恋をしてきた？
もし恋をするならどんな恋にしたい？

Aの恋愛話、聞きたい気持ちもあるけど聞きたくない気持ちもあってかなり複雑。

Aが描く幸せな未来に俺の姿はある？

なんてやり場のない気持ちを閉じ込めるように更にAを抱き締めた。

｢ユ、ノ…｣

寝言で俺の名前を呼ぶ所とか
毛布の中で俺に足を絡みつけている所とか
長くて綺麗なまつ毛とか
全部が全部愛おしくて、一番なんだよ。

眠っているAの額に軽くキスを落とし、俺も目を瞑った。

時計は4時6分を指していた。

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