240話 準備はいいかい？ ページ3
貴「…さっき海に落ちた…落とされたんで。まだちょっと寒いだけですよ。」
ヘルメスは伏せ目がちになって言った。
マ「嫌味のつもりかよい。」
貴「そう聞こえたって事はその通りなんじゃないですかね。」
無言で頭ぐりぐりされた。いたいよ。
「…ん、おい！ ログポーズが動いたぞ。」
マ「何だと…」
マルコさんが反応し、自分から離れた時、この大きな船体が傾いた。
「わぁぁ！！！」
物が落ちてくる。こんなにも急な事で、自分でも反応できなかったというのに。
エ「大丈夫か、ヘルメス。」
覆いかぶさり、護ってくれるこの逞しい弟は何なのだろう。
貴「ん…」
返事を返すと、にこりと微笑むのだった。
揺れはただの一回だけだったので見渡す限り怪我人はいなさそうだ。
「…っ失礼します！」
廊下から走る音が聞こえているなと思っていたらノックも無しに扉が開く。
白「何があったんだ？」
「親父！ 実は舵が急にひとりでに動き出したんだ！まるで何かに操られてるような…」
あら、そういう事か…父さんの仕業だなこりゃ…
「ふむ…船はログポーズの指す方に進んでるようだ。心配は無用だろう。そのまま任せよ。どうせそれでよいのだろう？」
話を自分に振られる。
貴「あぁはい。こういう事できそうな人があっちに多分いるんで…」
もうなんか不思議な事があったら何でも父さんのせいにできそうな気がする。怖いね。
「アイアイサー！」
扉を開けたその人は去った。
「さて…これで航海の心配は無くなったな。」
マ「あとエースはいつまでソイツに抱きついてんだよい…」
エ「拒否されるまで。」
貴「いや、よっかかれるからいいなって…」
マ「勝手にしてろよい。」
冷めた目で見られた。
「まず敵地のだいたいの形でもいいんだが…ヘルメス、何か憶えているか？」
貴「んー…多少の改装はあるだろうけど…ちょっと紙とペン…」
記憶を探り、なんとか絞り出す。
うん…それなりには描けたはず。
貴「こんな感じっす。」
「これは…かなり複雑なものだな。」
貴「家の父親、カラクリとか大好きなんで…引っ掛かった事のあるやつは描きましたよ。」
たまに気付かれなくて二日くらいほっとかれた事もあったな…兄さんが助けてくれたけど。そんな日々がもう帰ってくる事は無いと悟るとどこか胸にぽっかりと穴が空いたような気分になる。
「とりあえず攻めるには…」
こうして世界最強による、我等の策略が練られていくのだった。
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ふいと - この作品大好きです (2019年5月6日 13時) (
レス) id: ec73fc1a8a (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2018年9月8日 23時) (レス) id: 74107eb362 (このIDを非表示/違反報告)
たけつき。(プロフ) - 森田菜々子さん» ごめんなさい小説製作は受け付けてないんです…自分で考えたやつじゃないと想像力が働かないところがあるので…本当に申し訳ございません。他の作者様方へお願いします。自分にリクエストしていただけたのは嬉しかったです。 (2018年9月5日 22時) (レス) id: d2d8bef1b4 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - お願いあるんだけどいいですかな？ワンピース×メイ・チャンの恋愛短編集でお願いします。メイ・チャンは長男のグリードと次男のエンヴィーの妹を設定で (2018年9月2日 10時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脱兎狼 | 作成日時：2018年4月8日 15時
