231話 失態 ページ42
マ「お、お目覚めかよい。」
シャワーを浴びた後、軽く食事でもと食堂へ向かうとマルコさんに出会った。
ん?エース君はどうしたって?
…一緒に入ってないに決まってるでしょ。「そういう事をするのは俺がお前を落とした後でだ!」だって。はてさて、どうなる事やら。
貴「すみません…居候なのに一切仕事もせず…」
マ「あーいいよい。こんな細腕に力仕事させる訳にもいかねぇ。」
マルコさんの視線が腕に来るのを感じる。着替えた黒いシャツで捲れる事なく透ける事もなく、グローブを着けてもいるとはいえ後ろに隠す。
貴「意外に貴方より強いかもしれませんよ。」
マ「そりゃ舐めすぎだよい。」
笑いながら返される。
貴「そういや軽食でも取ろうと思ってるんですが今大丈夫ですかね。」
マ「ん、うーん…サッチらも飲んでたらしいからなぁ。」
貴「え…じゃあ台所って借りていいですかね。」
料理ってめんどいけど、腹の虫が治まりませんな。
マ「構わないが…お前が作るのかよい?」
貴「簡単なものですが…」
師匠と共に暮らしていた時、料理も勉強したからね。(つまみ食いするために勝手にキッチンを彷徨いていただけ。)
マ「…なぁ俺も酒ばっかで腹が空いていたんだ。」
貴「へぇ」
マ「手料理、楽しみにしてるよい。」
貴「誰もあげるとは言ってませんがね。」
マ「なら貸す許可は出せねぇなあ。」
こいつゥ!嫌な野郎だぜェ!
…適当に炭でも食べさせるかな。失敗しちゃったてへぺろとか言って。
そんな事したら後が怖いのでやめた。
…
貴「…できましたよ」
マ「ふむ…匂いと見た目は合格にしてやるよい。」
貴「何様目線ですかね。」
ま、ぼんやりとした記憶ではあるが焼いて香辛料をふりかけていただけだから平気だろ。師匠は料理の極意はタイミングとか何とか言ってだけど見て判断すればいいと思う。
貴「…腹の足しににはなりましたか。」
マ「あぁ、ごっそーさん。」
貴「なら自分はこれで…」
マ「少しくらい食休みしようぜ? 楽しく話そうじゃねえかよい。」
貴「言い方がなんか胡散臭いっすよ…」
マ「褒め言葉だ。さっきから気になってたんだがよい。ソレ、どうした?」
とんとん、と自身の腕を指すマルコさん。
あら、あらあらあらあら…料理の時に袖捲りしてたの、そのままでしたね。今一番秘密にしておきたい現状が公に晒されていましたね。
貴「弟と遊んでました。」
マ「そうかい、で?」
貴「アッ、コレオコッテル…」
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たけつき。(プロフ) - ピースさん» そう言っていただけるなんて嬉しい限りです。 (2018年4月4日 23時) (レス) id: d2d8bef1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 続きが楽しみです。 (2018年3月30日 19時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ル「楽しみにしているよー!」 (2017年9月19日 21時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
タシキ。(プロフ) - ルルさん» これからのエース君の活躍に乞うご期待を! (2017年9月19日 15時) (レス) id: d2d8bef1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ル「待ってたよー!!」 (2017年9月18日 21時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:脱兎狼 | 作成日時:2017年5月4日 21時