故障-Another story- ページ43
｢はぁっ…なにこれ…｣
やっぱりおかしい。恭平の前で気づかないふりをしてたけど、勉強会のときからずっと呼吸が苦しかった。苦しいというより、息ができなくて、ずっと酸欠みたいな、頭もクラクラしてくる。
｢だいちゃん｣
｢…これ、なんのサイン？｣
｢はぁっはぁっ…わからへんねん…けど、んっ…はぁっ…息、できひん、｣
濃縮器は赤色のランプが点っていて、酸素を送り出す音も聞こえてこない。
苦しくて、喉が痛くて、なにも考えられない。
｢…酸素ボンベにつけかえよ。チューブに酸素届いてないんやろ？｣
｢…っはぁはぁ…んっ…はぁっ…はっ…はぁ｣
短い返事すら、できなくて、頷くことで精一杯だった。
大ちゃんが恭平に状況を伝えにいったのがわかる。
大丈夫かな、恭平。俺がこうなったの、自分のせいでって思わないかな。
｢…大橋くん大丈夫？｣
急いで下から酸素ボンベを持ってきてくれた恭平は、やっぱり心配そうな焦ったような顔をしている。
｢はぁっ…んっはぁっ…へーき、｣
なんとか振り絞った声も、情けなく。
こうやって彼の世界を振り回すのは全然好きじゃない。恭平はいつも誰よりも心配そうに不安げな表情を浮かべている。
大ちゃんが素早くチューブを付け替えてくれた。ボンベから酸素を送る音がして、そのうち呼吸も楽になっていく。
｢…じゃあ電話してくるから、またなんかあったらすぐ呼んで？恭平も、ありがとう｣
｢…はい｣
恭平は小さな声で返事をした後、俺の顔を見てくれたけど、すぐに逸らされた。
呼吸器の不調でまた巻き込んでしまった。
本当だったらこの時間まで数学を教えてあげるはずだったのに。
機械の不調でこんな風に酸欠状態に陥るなんて、どこまでもツイてなくて笑える。
きっと恭平は根拠もなく自分を責めている。｢違う、恭平のせいじゃない。勉強会はなんにも関係ない｣と、言いたい言葉は決まってるのに、ベッドから起き上がることもできず、向こうからのアクションを待つことしか出来なかった。
＊リクエストありがとうございました＊
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ゆみ - いつもお話し楽しく読ませていただいてます。続編3にパスワード保護がかかっているのですが、そちらのお話もとても読みたいのでパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ご検討よろしくお願いします。 (9月18日 10時) (
レス) id: e03a8ccf64 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - くろさん» 準備が整い次第、全体公開致しますので今しばらくお待ちください…！記載しておけばよかったです申し訳ないです(＞＜) (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - 続編の3について、パスワードを教えていただくことは可能ですか？？ (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 548a30f309 (このIDを非表示/違反報告)
yuujun21(プロフ) - ちらんさん» ありがとうございますm(_ _)mお話のストックがたくさんあるとの事なのでそちら優先でも全然大丈夫です(*´ω｀*)更新楽しみにしてます♪ (9月6日 8時) (レス) id: f5e33b72b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - yuiyuikankanさん» リクエストありがとうございます！順番にお書き致しますのでしばらくお待ちください…！ (9月5日 20時) (レス) id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらん | 作成日時：2023年7月28日 23時
