保健室 ページ35
大西流星side
なぜか1年前の、ちょうど今日みたいな、暑くも寒くもない9月のあの日のことを思い出していた。
＊
朝から学校を行き渋って、今日もこんな風に教室から逃げ出してしまう。｢行ったらなんとかなるから｣と励まされ、無理やり歩かされた通学路はいつもよりずっと長く感じた。
誰に言われた訳でもない、行ったら行ったで楽しめる、なんて戯言にいつも騙される。行っても全然楽しくないし、だんだん周りの音が聞こえなくなって、息ができなくなる。
いっつもそうだ。昨日も、今日も、たぶん明日もそうなんだと思う。
｢…はぁ｣
吐きそうになるのを堪えて、なんとか給食を乗り越えた。昼休みになったと同時に教室を飛び出して4階から一気に階段を駆け下る。
｢…お腹痛い｣
仮病なんかじゃなくて、学校にいると本当にどこかしら体調が悪くなる。
午後の授業は、できれば出たくない。とにかく教室にいたくない。
体は無意識に保健室に向かっていた。
【職員室にいます】ドアノブに掛けられたホワイトボードにはそう書かれていた。
｢え…｣
こんなこと、今までなかったのに。
もうすっかり顔馴染みになったおじさん養護教諭のサイトウ先生は、なんだか最近忙しそうだ。
入っていいのかわからなくて、だけど中に人の動く音がしたから、もしかしたらと思ってドアに手をかけた。
｢失礼します｣
半分ドアを開いて、その隙間から覗いてみる。
やっぱりだ。思った通り。保健室には大橋くんがソファに腰をかけていて、お昼の服薬中だった。
｢大橋くん｣
｢…びっくりしたぁ！流星｣
｢えへへっごめん｣
｢今日来るんちゃうかな〜って思ってた｣
｢えーなんでなん｣
｢だって朝、超ぐずってたやん｣
｢そんな赤ちゃんみたいな言い方しなくても｣
｢ほんまのことやし〜？｣
心地よい空調のきいた保健室で、休憩してる大橋くんの横にいると落ち着いてくる。
どうしても逃げたくなる時は、こうして保健室に来るのが日課になっていた。
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ゆみ - いつもお話し楽しく読ませていただいてます。続編3にパスワード保護がかかっているのですが、そちらのお話もとても読みたいのでパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ご検討よろしくお願いします。 (9月18日 10時) (
レス) id: e03a8ccf64 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - くろさん» 準備が整い次第、全体公開致しますので今しばらくお待ちください…！記載しておけばよかったです申し訳ないです(＞＜) (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - 続編の3について、パスワードを教えていただくことは可能ですか？？ (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 548a30f309 (このIDを非表示/違反報告)
yuujun21(プロフ) - ちらんさん» ありがとうございますm(_ _)mお話のストックがたくさんあるとの事なのでそちら優先でも全然大丈夫です(*´ω｀*)更新楽しみにしてます♪ (9月6日 8時) (レス) id: f5e33b72b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - yuiyuikankanさん» リクエストありがとうございます！順番にお書き致しますのでしばらくお待ちください…！ (9月5日 20時) (レス) id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらん | 作成日時：2023年7月28日 23時
