アレルギー ページ33
｢…じょ、…じょうくん！｣
｢…みっちー！？…わかる？声聞こえてる？みっちー！｣
丈くんの呼びかけに、反応のないみっちー。残された選択肢はもうそれしかなかった。
｢…救急車、…救急車呼ばな｣
｢うん。俺、電話するから、…大吾、…おらんか…大橋、みっちーのこと見てて｣
｢うん｣
今日は大ちゃんも流星もいない。
俺がしっかりしないと、しっかりみっちーに声掛けないと。
｢こっちの手、リモコン離せる？｣
｢…はぁっ…かはっ…はっ…あ…ひゅーっ｣
｢俺の、俺の真似して、すーって、すーっ、はぁー、すーっ、…っ｣
過呼吸になったとき、丈くんや大ちゃんが一緒に呼吸のリズムを掴んでくれるのがすごく楽で、それを思い出してやってみる。
だけど呼吸はどんどんおかしくなって、俺の声なんか聞こえてなかった。
｢…っ、…みっちー…みっちー、横向きになろう｣
｢ヒューッ…カヒュッ…っん…ヒューッ…ヒュアー…｣
｢…っは…ふぅ、…みっちー、…｣
苦しそうにもがくみっちーを目の当たりにして、自分の呼吸まで苦しくなる。
仰向けよりも、横向きの方が気持ち楽になるんじゃないかと、みっちーの体を無理やり起こそうとしても、体格差に負けて更に刺激を与えるだけだった。
｢……ヒューッ……ヒューッ……｣
聞こえる呼吸の間隔がどんどん広くなっていく。
呼吸の仕方を忘れているような、発作時の自分を見ているみたいで、背中をさすっている手が震えてくる。
｢みっちー、…今救急車呼んでるから、…ッ、んっ…ふっ…ぅぁ…んっ、｣
心臓が痛い。なんで。今、俺みっちーを見ててって、みっちーに声掛けててって言われて。
丈くんからみっちーを任されて、少しでも落ち着くように俺がしっかりしなきゃいけないのに。
｢…ふぅ…んぁっ……ぃったぁ…｣
みっちーの背中をさすっていた手も、気づいたら胸を抑えていた。痛みによって生理的にでてくる涙で前が見えない。
丈くんの声が聞こえてきて、恭平と謙杜の姿も見えた。
痛みで体を縮こませる俺の横で誰かが声をかけてくれている。
わからない、なんて言ってるのか誰だかもわからないけど、俺はいいからみっちーのこと見てあげて。
そんな自分勝手な声も届かなくて、背中をさすって体を支えてくれる誰かに寄りかかることしかできなかった。
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ゆみ - いつもお話し楽しく読ませていただいてます。続編3にパスワード保護がかかっているのですが、そちらのお話もとても読みたいのでパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ご検討よろしくお願いします。 (9月18日 10時) (
レス) id: e03a8ccf64 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - くろさん» 準備が整い次第、全体公開致しますので今しばらくお待ちください…！記載しておけばよかったです申し訳ないです(＞＜) (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - 続編の3について、パスワードを教えていただくことは可能ですか？？ (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 548a30f309 (このIDを非表示/違反報告)
yuujun21(プロフ) - ちらんさん» ありがとうございますm(_ _)mお話のストックがたくさんあるとの事なのでそちら優先でも全然大丈夫です(*´ω｀*)更新楽しみにしてます♪ (9月6日 8時) (レス) id: f5e33b72b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - yuiyuikankanさん» リクエストありがとうございます！順番にお書き致しますのでしばらくお待ちください…！ (9月5日 20時) (レス) id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらん | 作成日時：2023年7月28日 23時
