行方 ページ25
｢…はぁっ…はぁっ…｣
大ちゃんが行きそうなところを一通り探しまわってもその姿はどこにもなかった。
｢…どこにおんねん｣
こぼれる涙を拭いて、潰れそうな心をまた立て直す。俺がこんなところで泣いてる場合なんかじゃない。
｢…だいちゃん、…ぐすっ…だいちゃん…｣
拭いても拭いても頬は濡れて、汗と涙で顔なんかぐちゃぐちゃだった。
もし見つからなかったらどうしよう、どこかで俺みたいに泣いてたら、…とにかく早く見つけないと。
｢だいちゃんごめん…っ、ぅう…だいちゃん｣
もううまく前が見えない。｢流星は悪くない｣大橋くんはそう言ってくれたけど、大ちゃんの置かれてた状況も、気持ちもなにも考えてあげられなかった。
大ちゃんはいつも俺のこと気にかけてくれてたのに。俺は都合よくあんなときだけ気を遣ってる風に偉そうなこと言うだけで。
｢…はぁっ…はぁっ、…だいちゃん、どこにおるん…っ｣
どうしようもなくなって、座り込んだ時に携帯がなる。
｢…っはぁ…もしもし…｣
『もしもし、』
｢丈くん？｣
『大吾、今施設の人と帰ってきたから。流星も帰っておいで。』
｢…っ…あぁ、…｣
よかった。事の発端は俺なのに、純粋に良かった、と安心して力が抜ける。
『流星？大丈夫？迎え行こか？』
｢…はぁっ…大丈夫…今帰るね｣
『暗いし、気をつけて。大吾も今は落ち着いてるし。』
｢うん｣
普段運動しない足が今になって震え出す。安心か疲労か、家までの道はうまく歩けなかった。
家に帰って、大ちゃん以外の6人に出迎えられる。大ちゃん部屋おるから、様子見に行ってあげて、と大橋くんに言われた。
｢…だいちゃん｣
｢…っりゅうせい｣
｢…｣
｢ごめん、流星、ほんまにごめん｣
ベッドで静かに泣いてる大ちゃんのそばで、俺もさっきとめたはずの涙が出てくる。
｢ゆるさない…ゆるさないもん、｣
｢…っほんまにごめん…流星は心配してくれてたのにな｣
｢ぅ…だいちゃん、…だいちゃん…俺も、俺の方がごめんって…ぅっうぅぅよかったぁ…っ｣
許さない、なんてそんなの嘘だよ。ずっとずっと心配してたんだよ。
｢流星、ありがとう｣
｢…うん｣
大ちゃんのことを抱きしめる。もうどこにも行かないで。
大ちゃんに抱きしめ返されて、頭を撫でられて、やっぱりもっと泣いてしまった。
＊リクエストありがとうございました＊
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ゆみ - いつもお話し楽しく読ませていただいてます。続編3にパスワード保護がかかっているのですが、そちらのお話もとても読みたいのでパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ご検討よろしくお願いします。 (9月18日 10時) (
レス) id: e03a8ccf64 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - くろさん» 準備が整い次第、全体公開致しますので今しばらくお待ちください…！記載しておけばよかったです申し訳ないです(＞＜) (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - 続編の3について、パスワードを教えていただくことは可能ですか？？ (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 548a30f309 (このIDを非表示/違反報告)
yuujun21(プロフ) - ちらんさん» ありがとうございますm(_ _)mお話のストックがたくさんあるとの事なのでそちら優先でも全然大丈夫です(*´ω｀*)更新楽しみにしてます♪ (9月6日 8時) (レス) id: f5e33b72b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - yuiyuikankanさん» リクエストありがとうございます！順番にお書き致しますのでしばらくお待ちください…！ (9月5日 20時) (レス) id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらん | 作成日時：2023年7月28日 23時
