気持ち-Another story- ページ13
なにわのおうち『気持ち』アナザーストーリー
大橋和也side
ずっと雨が降っていた。
空にも、心にも、もうしばらく晴れなんて訪れていない。
｢大橋くん｣
処置室の前の椅子に一人、不安そうな俺を見て看護師さんは声をかけた。
｢…シュウは？｣
｢…うん、お母さんたちが到着次第、やね｣
あぁ、知ってる。親や身内が最後を寄り添ってそれから生命を繋ぐ装置を外すんだ。それまではまだ生きてるけど、だけどそんなの、もう…。
｢そっか｣
｢部屋戻ろっか？お兄さん来るんやろ？｣
お兄ちゃん、でもないけど。いや、説明が面倒で俺自身が大ちゃんのことを｢お兄ちゃん｣って言いふらしてた気がする。
｢今日来るかわからん｣
｢でもまぁ、ここ寒いし、一旦戻ろ？｣
｢…｣
｢ね？｣
｢うん｣
どっちにしろ、シュウにはもう会えないから、ここにいたって意味が無い。
最後を看取れるのは家族だけだし、いくら病院内で仲が良くたって、俺以上に仲良しな友達がいっぱいいるはずだ。
もう、割り切るしかないんだと思う。
だって元からそういう場所だった。
忘れがちだけど、たまたまシュウだっただけで、俺だっていつこうなるのか、明日かもしれないし、今日この後かもしれない。
｢じゃあ、なにかあったらナースコールして？｣
｢はい｣
部屋に戻って、少し荷物を整理する。
シュウから借りたゲームのカセットは看護師さん伝手で返さなくちゃいけない。
｢…っ、…はぁ、｣
苦しくて、息ができない。胸が痛い。
あんなに、元気だったのに。
俺とは違って、毎日ひとつもサボらずに治療もリハビリもしてたのに。
神様は俺じゃなくてシュウを選んだ。
こんな理不尽に、俺もいつか誰にも何も言えないまま、一人でどこかへいくんだろうか。
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ゆみ - いつもお話し楽しく読ませていただいてます。続編3にパスワード保護がかかっているのですが、そちらのお話もとても読みたいのでパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ご検討よろしくお願いします。 (9月18日 10時) (
レス) id: e03a8ccf64 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - くろさん» 準備が整い次第、全体公開致しますので今しばらくお待ちください…！記載しておけばよかったです申し訳ないです(＞＜) (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - 続編の3について、パスワードを教えていただくことは可能ですか？？ (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 548a30f309 (このIDを非表示/違反報告)
yuujun21(プロフ) - ちらんさん» ありがとうございますm(_ _)mお話のストックがたくさんあるとの事なのでそちら優先でも全然大丈夫です(*´ω｀*)更新楽しみにしてます♪ (9月6日 8時) (レス) id: f5e33b72b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - yuiyuikankanさん» リクエストありがとうございます！順番にお書き致しますのでしばらくお待ちください…！ (9月5日 20時) (レス) id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらん | 作成日時：2023年7月28日 23時
