誕生日 ページ11
誕生日会が終わった後、1切れのケーキを持ち出してこっそり大橋くんの部屋に向かった。
強い薬の副作用でどうしても眠気が続いてるから、大橋くんの部屋には行っちゃいけないと口酸っぱく連日言われてきた。
だけど今日は大橋くんにとっても特別で大切な日のはず。
｢大橋くーん｣
扉をあけて小声で名前を呼んでみる。
オレンジ色の薄いライトに照らされて静かに眠る大橋くんのほっぺをつんつんとつついてみる。
｢…ん｣
｢おーはしくーん｣
｢りゅうせい？｣
｢うん｣
｢どうしたん〜｣
まだまだ眠たいのか、横になったままとろんとした目で見つめられる。
普段ならもう起き上がろうとするけど、今日はそれすらなくて、やっぱりそれほど身体がしんどいのかと思うと少し悲しくなった。
｢誕生日会やってたんやで｣
｢…ぁ、そうよな…流星いくつになったん〜？12歳くらい？｣
｢ちょっと！もう14ですけど〜？？｣
｢ははっそっかぁ｣
｢それで…あの…｣
ケーキ持ってきたんやけど食べる？なんて聞けるはずもなく。この状態で食べられるわけもないし、そもそも糖分はあんまり摂っちゃいけなかった。
｢なぁに？｣
｢…ううん｣
｢…ふふっ…ケーキ？｣
｢…｣
｢内緒で持ってきてくれたん？｣
｢違う。これ俺用。｣
｢え〜俺のフォーク持ってるけど？｣
だけど大橋くんは全部お見通しだった。
大橋くん用のプラスチックのフォークを見つけられて、言い訳も苦しく。
｢…だってさ〜｣
｢流星ほんま優しいな〜｣
｢食べなくていいから｣
｢一口ちょーだい｣
｢いいの？｣
｢せっかく持ってきてくれたんやし、お腹空いてきた｣
｢こんなんただのおせっかいやし｣
｢流星のそういうところ、俺ほんまに大好きやで｣
俺だって、大橋くんのこういうところがなによりも大好きだよ。
ストレートな大橋くんの言葉に、返したかった言葉が恥ずかしくなって出てこなかった。
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ゆみ - いつもお話し楽しく読ませていただいてます。続編3にパスワード保護がかかっているのですが、そちらのお話もとても読みたいのでパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ご検討よろしくお願いします。 (9月18日 10時) (
レス) id: e03a8ccf64 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - くろさん» 準備が整い次第、全体公開致しますので今しばらくお待ちください…！記載しておけばよかったです申し訳ないです(＞＜) (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - 続編の3について、パスワードを教えていただくことは可能ですか？？ (9月11日 5時) (レス) @page47 id: 548a30f309 (このIDを非表示/違反報告)
yuujun21(プロフ) - ちらんさん» ありがとうございますm(_ _)mお話のストックがたくさんあるとの事なのでそちら優先でも全然大丈夫です(*´ω｀*)更新楽しみにしてます♪ (9月6日 8時) (レス) id: f5e33b72b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちらん(プロフ) - yuiyuikankanさん» リクエストありがとうございます！順番にお書き致しますのでしばらくお待ちください…！ (9月5日 20時) (レス) id: 833f0882ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらん | 作成日時：2023年7月28日 23時
