夜桜を照らす月光

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太陽side

なんで結婚って選択肢が！？

と俺がパンクしていると、二刃さんが説明してくれた



二刃「あんたが夜桜家に婿入りすれば、我が家唯一のルール「家庭内殺人禁止」にのっとり

命だけは守られる」



いや、そもそもそんなルールあること事態おかしいし

あと命「だけ」ってところこわいんですが！？



二刃「あの長男(バカ)も鉄の掟を破るほど馬鹿じゃないよ

普通なら役所に書類とか教会で誓うもんだろうが、夜桜式の結婚は指輪交換だけだ」


そう言って二刃さんは自分の指輪を外して、二重になっていたらしい指輪をわけた




二刃「夜桜家全員がつけているこの「桜の指輪」は二重になっていて

伴侶に片方を渡した時点で結婚は成立し、夜桜家の一員となる」



結婚…………でも、そんな、俺が……？



二刃「……そんなとっぴな話じゃないつもりだよ。あんた達が幼なじみで絆が深いのもしってるし

それに正式な伴侶がいるとなれば、あの長男(バカ)も妹離れして正気に戻るきっかけになるんじゃ…

なんてあたしの勝手な期待もあるんだけど」



さっきから頭の中がぐるぐるしてる


二刃「あんたを守るため、そして六美を守るため、悪くない案だと思わないかい？」



俺と六美が結婚！？

そんな！………そんな……の……



でも六美の気持ちは！？それに




「結婚」……「家族」………



太陽「………ッ！！」ゾッ







六美「だめ。太陽とは結婚しない」



……六美………？



二刃「六美…」

六美「ごめんね二刃姉ちゃん。私達のためなのは分かってる

でもお姉ちゃんも知ってるでしょ。太陽は昔家族を亡くした

普通の人は中々知ることのないその痛みとずっと戦ってきた

今でも人と話せなかったり眠れなかったり…その痛みに向き合い続けてる」






六美「誰よりも家族の痛みを知ってる人に、軽々しく「家族になろう」だなんてそんな残酷なこと


私には出来ない…！！」



六美……

お前はいつも、俺の事考えてくれるな



二刃「…分かった。失礼な事聞いてごめんね。あたしが悪かったよ」ﾍﾟｺｯ

太陽「えっいや別に…」



謝るのは俺の方なのに…



そして後ろが物騒だな！？

なんでお兄さんをボコボコにするのにそんな乗り気なの！？




……でも、確かに家族なんて今の俺にはしんどすぎる

六美がああ言ってくれて実際ホッとした筈だ

なのになんで――こんなにモヤモヤしてるんだ？






凶一郎「ふーん、誰をボコボコにするってー？」

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